情報処理推進機構(IPA)のデジタルアーキテクチャ・デザインセンター(DADC)は2日、「サプライチェーン強靭化におけるデータ連携の仕組みに関するガイドライン(車載半導体関連)(0.1 beta版)」を公開し、パブリックコメント(意見募集)を開始しました。募集期間は5月7日まで。
自動車メーカー、部品メーカー、半導体メーカーの間で、「どの半導体がいつ生産終了するか」といった平時の情報や、災害時に「どこで生産への影響が出ているか」といった有事の情報を、スムーズに共有・活用できるデータ連携が求められています。
背景には、自然災害や新型コロナウイルスの流行、他国による輸出規制など、予測困難な事態によって部品供給網(サプライチェーン)の脆弱性が明らかになったことがあります。とりわけ自動車産業では、半導体の供給が途絶したことで大規模な生産停止を招いた事例も見られました。さらに、自動車メーカーが旧世代の半導体を長期間使用し続けると、生産終了によって部品の入手が困難となるおそれがあるため、計画的に新しい半導体へ移行する「新陳代謝」の重要性が一層高まっています。
ただ、直接取引のない企業間も含めて部品の機密情報をやり取りしようとすると、「自社の企業秘密がライバルに漏れないか」という懸念が生じます。そこで情報のやり取りの土台として活用されるのが、経済産業省が推進する「ウラノス・エコシステム」というデータ連携の仕組み(データスペース)です。この仕組みを使うことで、インターネット上で企業同士が、自社のデータを「誰に」「何を」開示するかを自分たちでコントロール(データ主権)しながら、安全かつ信頼性を確保して情報を共有できるようになります。
今般意見公募の対象となっているガイドラインは、そうしたデータ連携・利活用に関連する業務や機能の要件を整理したものです。IPAが先行して公開したあらゆる産業に共通する「データ連携の仕組みに関するガイドラインの手引き サプライチェーン共通編」をベースに、車載半導体という特定の用途に合わせて具体化した「個別ガイドライン」との位置付けになります。