総務省は7月24日、「令和8年版情報通信白書」を公表しました。
第Ⅰ部では、「AIの進展がもたらす多面的影響~人間とAIが健全に協働するデジタル社会の実現に向けて~」と題した特集が掲載されています。この特集では、2025年度の日本や諸外国における、AI利用実態や最新の研究動向、AIガバナンスのあり方について分析しています。
まず、2025年度の個人におけるAI利用調査の結果がまとめられています。生成AIサービスを「使っている(過去使ったことがある)」と回答した割合は58.8%に達し、前年度の26.7%から上昇しました。ただし、同様の調査を実施した米国およびドイツはそれぞれ75.6%、中国は93.6%という結果であり、これらの国と比較すると日本は低い割合にとどまっていることがわかりました。
サービス種類別に見ると、AIを「使っている(過去使ったことがある)」と回答した割合が最も高かったのは、テキスト生成AIサービス(55.0%)でした。画像・動画生成AIサービスは16.3%にとどまりました。
リスク意識に関する回答状況では、「非常にリスクだと感じる」と「どちらかといえばリスクだと感じる」の回答割合の合計が74.9%と最も高かったのは「実在する人物の精巧なフェイク映像や音声、実在しない景色や人物などの画像を本物であると思ってしまう」という項目でした。他のリスク項目においても、「非常にリスクだと感じる」「どちらかと言えばリスクだと感じる」の回答割合が2024年度より高まっていることから、本白書は、AI利用の広まりとともにリスクに関する意識や認識も広がりつつある可能性を示唆しています。
次に、企業におけるAI利用についても調査結果が掲載されています。AIを「積極的に活用する方針である」および「活用する領域を限定して利用する方針である」と回答した割合の合計は68.9%で、2024年度の49.7%から上昇しています。生成AIの活用状況に関しては、「一つ以上の業務で利用している」と回答した割合は86.4%となり、こちらも2024年度調査の55.2%に比べて大幅に上昇したことが記されています。一方で、生成AIによる業務変革などに関する組織的な取り組み状況が「ない」と答えた企業の割合は日本で27.0%にのぼり、米国(1.4%)、ドイツ(4.9%)、中国(2.6%)と比較すると高い割合となっていることがわかりました。
そのほか、特集では先進的な取り組みを進める企業の例も掲載されています。続く第Ⅱ部では、情報通信分野における市場動向・現状が整理されています。