漏えい1,000人超が倍増、2025年度の事故報告集計結果を公表 JIPDEC
プライバシーマーク(Pマーク)制度を運用する日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)は2026年8月31日、個人情報の取り扱いにおける事故報告の2025年度集計結果を公表しました。Pマーク付与事業者のうち事故報告を行ったのは2,021事業者(前年度比155社増)で、報告件数は10,633件(同1,311件増)にのぼり、いずれも前年度から増加しました。
総報告件数10,633件のうち、「速報」要件に該当する事故は4,013件と全体の37.7%を占め、前年度の33.5%から約4.2ポイント上昇しました。Pマーク制度では、規約(PMK500)第12条第3項に基づき、要配慮個人情報の漏えいや不正の目的、1,000人を超える漏えいなどが発生した際、発覚からおおむね3~5日以内に「速報」として報告することを定めています。
速報該当事由の中では、1,000人を超える漏えいが全体の13.5%(前年度は6.2%)となり、前年度に比べて割合が約2倍となりました。この背景には、クラウドストレージなどのアクセス権限設定ミスによる「誤表示」が7.2%(同3.3%)と2.2倍近くに増加したことが影響しています。一度の設定不備で大量の顧客データが公開状態となる「誤表示」は、影響人数が1,000人を超える重大事故を誘発する最大の要因となっています。
一方で、媒体別の事故報告割合を見ると「紙」が51.2%、「電子データ」が45.3%となり、前年度(紙48.8%、電子データ40.7%)と同様に、事故の件数としては紙が電子データを上回りました。
事象分類別では、件数の多い順に「誤配達・誤交付」が全体の37.8%、「誤送信」が25.5%であり、これらが全体の6割以上を占めました。クラウド設定不備(誤表示)や不正アクセスなどの「デジタル事故」は、発生頻度(件数)こそアナログ事案よりも少ないですが、一度起きれば数千~数万人規模の個人情報が一瞬で流出するおそれがあり、事故としての深刻度はより高くなります。
原因分析においては、担当者の「作業・操作ミス」(4,445件)や「確認不足」(3,427件)といった個人起因のミスが上位を占めました。しかし、「従業員教育不十分」が2,762件、「手順・ルール不明瞭、未策定」が1,569件など全原因の延べ件数のうち組織側に起因する要因の合計が約3割に達しており、組織の管理体制の見直しが求められています。