2025年度の個人情報相談は前年比4割増、事業者への状況確認も実施 JIPDEC
日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)は、同協会内の「プライバシーマーク推進センター」および「認定個人情報保護団体事務局」の窓口で消費者から受け付けた苦情・相談の状況を取りまとめ、「2025年度 消費者相談受付対応概要」として公表しました。2025年度の相談受付件数は320件に達し、前年度の227件から93件増加(前年度比41.0%増)となりました。
受付件数320件のうち、プライバシーマーク(Pマーク)を取得している「付与事業者」に関する相談が276件(86.3%)と全体の8割以上を占めました。他方、Pマーク未取得などの「非付与事業者等」に関する相談も44件(13.8%)となり、前年度の23件から大幅に増加しました。
受け付けた相談への対応として、JIPDECは消費者へのアドバイスや事業者への事実確認を行っています。付与事業者に関する相談276件の対応内訳を見ると、「相談者への回答・助言」が80.4%(222件)と大半を占めました。これは「メルマガ解除後にメールが届く」といった相談に対し、配信予約のタイムラグなど制度や仕組みの解説・対処法を消費者に説明して解決を図ったケースです。
一方で、付与事業者に関する相談(276件)の16.7%にあたる46件では「事業者への確認対応」を実施しました。これは「個人情報を削除したと説明されたのに営業SMSが届く」といった不備の疑われる訴えに対し、JIPDECが該当事業者へ直接連絡を取り、事実関係について照会したケースとなっています。
相談対象となった事業者がPマーク付与事業者であり、事業者が特定できた227件を業種別で見ると、最も多いのは「情報サービス・調査業」で32.2%(73件)、次いで「人材サービス業を含むその他の事業サービス業」が27.8%(63件)となり、上位2業種で全体の約6割を占めました。また、「不動産管理業等を含む不動産業」は9.7%(22件)となり、前年度の4.6%(9件)から構成比・件数ともに増加しています。
相談種別の内訳では、漏えい・紛失・管理不備などの「個人情報の安全管理関連」が31.2%(116件)と最も多く、次いで、開示・利用停止・消去などに関する「個人情報の開示等関連」が17.7%(66件)、「苦情等の窓口対応」が16.9%(63件)となりました。前年度と比較すると、「個人情報の安全管理関連」は31.8%からほぼ横ばいで推移した一方、「苦情等の窓口対応」は前年度の7.2%から16.9%へ大幅に増加しています。
具体事例では、書類誤発送や他顧客の契約書同封といった発送ミス、送信停止申し出後もダイレクトメールが届き続ける社内連携不足が報告されています。さらに、事業者の相談窓口へメールを送っても返信がない事例や、電話担当者の知識不足による説明不足など、企業の窓口対応に対する不満が顕著となりました。JIPDECは不誠実な対応が企業の信頼失墜(レピュテーションリスク)につながるとして、社内フローの整備や定期的な従業員教育の徹底を求めています。