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不動産分野向けTCFD対応のガイダンスを策定 国交省

掲載:2021年04月05日

リスクマネジメント速報

         
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国土交通省は3月30日、不動産業界向けに気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に対応するためのガイダンスを策定し公表しました。不動産分野に特化して、気候変動に対応したシナリオ分析の考え方などを解説しています。

同ガイダンス策定の背景には、日本の不動産業界が気候変動の影響を受けやすいことや、高層ビルなどの不動産が、冷暖房使用などで大量の電力を消費し、温室効果ガスの排出規制などの影響を受けやすいことがあります。特に、日本は台風や高潮などの自然災害が多く、風水害に直接さらされる不動産においては、気候変動による物理的なリスクの影響が大きいといえます。

他方、投資家が投資先に対して気候変動への対応を求める動きが拡大しています。そのため、日本の不動産業界が持続的な発展をするためには、気候変動による物理的リスクや炭素税の導入といった規制によるリスクの影響を回避・縮減し、そうした対応策について国際的な枠組みであるTCFDに基づく開示が求められています。

「不動産分野におけるTCFD提言対応ガイダンス」は、日本の不動産分野固有の実情を考慮し、環境省のTCFDシナリオ分析実践ガイドやTCFDコンソーシアムのTCFDガイダンスを踏まえた、不動産分野に特化した初めてのガイダンスとなっています。海外の開示事例やシナリオ分析の例を多く盛り込み、取り組みやすいよう工夫されています。