「新型コロナウイルス感染症対策に配慮した避難所開設・運営訓練ガイドライン」の第3版を公開 内閣府
掲載:2021年06月24日
リスクマネジメント速報
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内閣府は6月16日、「新型コロナウイルス感染症対策に配慮した避難所開設・運営訓練ガイドライン」を改訂し、第3版として公開しました。「避難所における新型コロナウイルス感染症への対応Q&A」の第3版(5月13日公表)や「防災女子の会」の提言(5月17日公表)などを受けて改訂されました。また合わせて、「新型コロナウイルス感染症対策に配慮した避難所開設・運営訓練事例集」を作成、公表しました。
「Q&A」第3版を踏まえて、避難者の受け入れ訓練において記載の充実化が図られました。例えば、自宅療養者の被災に備え、あらかじめ防災部局、保健福祉部局および保健所が連携して役割分担の調整を行うことなどが明記されました。また、地方公共団体からのヒアリングを踏まえて、「健康な人の避難所滞在スペースのレイアウト(例)」や「発熱・咳等のある人や濃厚接触者専用室のレイアウト(例)」など、避難所レイアウト図が添付されました。
ガイドライン第3版の前文においては、女性の視点に立った運営訓練や意思決定の場への女性の参画を行うことが明記されました。性暴力・DVの防止や男女ペアによる巡回警備などについても言及しています。物資の受け入れと配布についての訓練項目では、内閣府男女共同参画局が2020年5月に策定した「災害対応力を強化する女性の視点~男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン~」の備蓄チェックシートを活用し、男女共同参画部局や女性職員の参画を得ることを推奨しています。妊産婦・乳幼児・子育て家庭のニーズを踏まえた品目を選定すること、女性用品については配布場所を設置し女性が配布を行うことなど、女性に配慮するよう求めています。
2020年4月に運用を開始した「物資調達・輸送調整等支援システム」の活用についても追記されています。同システムは防災備蓄の管理にも活用できます。災害時には平時に入力された在庫状況が支援の参考になるため、操作の習熟を求めています。
「新型コロナウイルス感染症対策に配慮した避難所開設・運営訓練事例集」は、事例が1枚のシートに整理され、簡潔に要点がまとめられています。
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