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気候変動による災害激甚化に関する影響評価について中間報告を公表 環境省

掲載:2021年07月15日

リスクマネジメント速報

         
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環境省は7月2日、気候変動による災害激甚化に関する影響評価について中間報告を公表しました。地球温暖化が進行した世界で令和元年東日本台風(台風第19号)と同様の台風が襲来した場合の影響について、シミュレーションの結果を示しています。また中間報告とあわせて、その内容を説明したパンフレットも公開しました。

地球温暖化が進行したシナリオとして、世界平均気温が工業化以前(18世紀半ば頃)より2℃もしくは4℃上昇する2つのケースを想定しました。スーパーコンピュータによるシミュレーションでは、台風はそれぞれ現在よりも強い勢力を保ったまま日本に接近し、関東・東北地方により多くの雨をもたらす結果となりました。そのため、現在よりも氾濫のリスク、沿岸や河川の河口付近での高潮による浸水リスクが高まると示しています。

具体的に、洪水と高潮への影響は次のようになりました。
1)2℃上昇の場合
・8水系(荒川、多摩川、利根川、千曲川・信濃川、那珂川、久慈川、阿武隈川、鳴瀬川・吉田川)のピーク流量(最大流量)は平均15%増
・中小河川において氾濫の危険性がある場所が1.44倍
・東京湾の潮位の変化(最大潮位偏差)は平均5%増

2)4℃上昇の場合
・8水系のピーク流量(最大流量)は平均29%増
・中小河川において氾濫の危険性がある場所が2.28倍
・東京湾の潮位の変化(最大潮位偏差)は平均13%増

令和元年東日本台風は東日本全域にわたり大きな被害をもたらし、統計開始以来最大の水害被害額を記録しました。環境省では今後、2018年に近畿地方に大きな被害をもたらした、平成30年台風第21号についても同様のシミュレーションを行う予定です。

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