首都直下地震の被害想定を10年ぶりに見直し、最大震度7の「都心南部直下地震」では死者6,148人に 東京都
掲載:2022年05月27日
リスクマネジメント速報
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東京都は5月25日、首都直下地震の被害想定などを10年ぶりに見直した被害想定報告書を公表しました。それによると、最も大きな被害が想定されたのは「都心南部直下地震」で、23区の約6割で震度6強以上、一部では震度7を予測し、死者6,148人、建物被害19万4,431棟と想定されました。
公表したのは「首都直下地震等による東京の被害想定報告書」です。今回は前回と想定した地震動が異なるほか、地震が生活に及ぼす影響やライフラインなどの被害を時系列で1カ月先まで示した「災害シナリオ」が盛り込まれました。
都内で一番被害が大きいと想定された「都心南部直下地震」は、前回想定した「東京湾北部地震」とは地震動が異なるため単純な比較はできないとした上で、建物被害は約11万棟減少し、死者数も約3,500人減少すると想定しました。都はその主な要因について、建物の耐震化や不燃化の進展を挙げています。
インフラや避難所など個別の項目について、翌日や1週間後、1カ月後などに想定される状況を示しました。例えば電力では、発電所が被災した場合に発災1週間後も計画停電が継続される可能性があることや、多くの地域で供給が再開されるのは1カ月後であることなどが示されています。
都は今後、報告書に基づき地域防災計画を修正し、必要な対策を講じます。報告書では、耐震化率100%(※)になれば、全壊棟数と死者数は今回の想定より約6割減少するとしています。
※1981年6月に施行された建築基準法(新耐震基準)を満たすこと
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