能登半島地震で機能を発揮、「防災道の駅」の実例なども紹介した令和6年度版「国土交通白書」を公表 国交省
掲載:2024年07月05日
リスクマネジメント速報
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国土交通省は6月28日、令和6年版の国土交通白書を公開しました。深刻な少子高齢化と人口減少に直面していることを踏まえ、第Ⅰ部では「持続可能な暮らしと社会の実現に向けた国土交通省の挑戦」をテーマとしました。人口減少は人手不足を引き起こし、公共交通や生活インフラの存続が危惧されているためです。白書では、地域の足の確保や担い手不足への対応などについて施策の方向性を示した上で、展望を描いています。また、能登半島地震への対応については特集を組み、2024年5月時点の取り組み内容が紹介されています。第Ⅱ部は例年通り、昨年度の国土交通行政の各分野の動向が政策課題ごとにまとめられています。
白書によると、公共交通は通勤・通学・通院など欠くことができない移動手段ですが、人口減少を背景に運営事業者が赤字経営であったり、担い手が不足したりしています。また建設業や運輸業では就業者の高齢化が進み、担い手不足の深刻化が懸念されています。
そのため「こどもまんなか社会」や次元の異なる少子化対策の実現を目指した上で、新技術の活用による省人化・省力化の推進や生産性を向上させる取り組みを急ぎます。具体的には、インフラ施設の保守・点検業務におけるドローンの活用や移動・物流サービスにおける自動運転技術の活用、住宅建築における3Dプリンタの活用を挙げています。自動運転バスやドローン物流によって事故リスクを低減させるとともに、自動化や効率化の実現も期待できるとします。
能登半島地震に関する特集では、半島という地形的な特徴から陸路、空路、海路において連携した啓開や物資輸送体制の確保を行ったことがまとめられています。能登地域の港湾全体に被害が及んだことは第Ⅱ部でも取り上げられ、港湾BCPの改善など災害対応力の強化に取り組んでいることが記されています。また、防災道の駅に設置していた防災コンテナ型トイレ(停電や断水状況下でも使用可能なトイレ)を被災地へ派遣したことや、防災道の駅が支援物資の集配拠点や道路啓開活動の拠点として機能した実例を挙げ、「道の駅」が防災拠点としての役割を果たしたことを紹介しました。
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