静岡県の被害額が突出した2022年の年間水害被害額の確報値を発表 国交省
掲載:2024年08月15日
リスクマネジメント速報
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国土交通省は7月31日、2022年の年間水害被害額(※)が約6,100億円との確報値を発表しました。過去10年で4番目の被害額となりました。2022年は台風第15号(9月発生)が静岡県に線状降水帯をもたらし土砂災害などが発生しました。そのため静岡県の被害額(年間)は約2,010億円となり、統計開始以来最大となりました。静岡県の被害額は全体(約6,100億円)のおよそ3分の1を占めています。
2022年の年間水害被害額をまとめた資料では、同年に発生した主な水害として台風第15号▽台風第14号および豪雨▽7月の豪雨▽8月の豪雨――について被害状況などとともに被害額を説明しています。
それによると、台風第15号では死者3名、負傷者20名となったほか、被害建物棟数は9,987棟、水害区域面積は4,415haとなり、約1,980億円の被害となりました。静岡県や愛知県では、線状降水帯が発生し記録的な大雨となりました。特に静岡県では猛烈な雨が降り続き、記録的短時間大雨情報が多数発表され、複数の地点で平年の9月1か月分の雨量を上回り、観測史上1位を更新しました。静岡県では土砂災害が167件発生するなどして被害額は約1,955億円にのぼりました。
8月の豪雨では、低気圧に伴う前線が北日本にのびて停滞し、北海道地方や東北北部で大雨となり、北海道地方や青森県では記録的な大雨となりました。水害被害額は約660億円となり、都道府県別でみると青森県(約308億円)▽秋田県(約150億円)▽北海道(約91億円)の順で高くなりました。
他方、2022年の年間水害被害額を都道府県別でみると、静岡県(約2,010億円)▽宮崎県(630億円)▽新潟県(約400億円)――の順に高くなりました。宮崎県では台風第14号および豪雨による被害額が約622億円、新潟県では7月の豪雨による被害額が約365億円となったことが影響しました。
※水害被害額は一般資産等被害額と公共土木施設被害額、公益事業等被害額で構成されています。
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