帰宅開始場面における新たな混乱の発生防止へ、「大規模地震発生に伴う帰宅困難者等対策のガイドライン」を改定 内閣府
掲載:2024年08月07日
リスクマネジメント速報
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内閣府は7月26日、改定した「大規模地震発生に伴う帰宅困難者等対策のガイドライン」を公表するとともに、改定内容を反映させた広報リーフレットを公開しました。今回の改定では、帰宅困難者等の適切な行動判断のための情報提供の在り方▽一斉帰宅抑制後の帰宅場面における再度の混乱発生の防止――の2つの観点が盛り込まれました。
改定された「大規模地震発生に伴う帰宅困難者等対策のガイドライン」は全9章の構成です。主な改定箇所は第4章「帰宅困難者等への情報提供」と、第6章「帰宅開始場面における新たな混乱発生の防止」になります。
第4章では、時間経過に応じて、いつ▽どのタイミングで▽誰が▽どのような情報を出すのか――基本的なケースを共有するとともに、帰宅困難者等の行動変化に照らして、異なる主体が発信する情報が不連続となるのを防ぐ目的で情報提供シナリオ(※)が新たに示されました。一時滞在施設などの管理者や行政、鉄道事業者、企業などの各主体と、各主体が発信する情報、帰宅困難者の行動傾向などを時系列で整理しました。「一連の情報として帰宅困難者等に届くことが必要」と記されています。
第6章では、新たに「一斉帰宅抑制後の帰宅行動指針」(以下、行動指針)が設けられ、この指針を踏まえた主体ごとの対応例が示されました。行動指針は、一斉帰宅抑制の実施によって待機していた大量の帰宅困難者等が鉄道の運転再開などに伴って移動を開始すると、新たな混乱が生じてしまうため、それを防ぐ目的で設けられました。企業に対しては、指針の周知のほか、優先業務や分散帰宅、テレワーク推進の方針策定などを求め、BCP(事業継続計画)などに位置付けることで発災時には行動ルールに基づく適切な行動がとれるよう求めています。
情報提供シナリオと行動指針を踏まえ、首都直下地震帰宅困難者等対策連絡調整会議が策定したガイドラインも同日付で改定され公表されました(改定されたガイドラインは「事業所における帰宅困難者等対策ガイドライン」、「一時滞在施設の確保及び運営のガイドライン」、「帰宅困難者等への情報提供ガイドライン」の3つ)。
※「大規模地震発生時における帰宅困難者等の適切な行動判断のための情報提供シナリオ」のこと。
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