ITIL NaviITガバナンス/運用管理のワンストップ情報コーナー

書籍紹介

ITロードマップ2010年度版(情報通信技術は5年後、こう変わる)

2010年09月10日

本書は、今注目され(または注目されはじめ)ているIT技術の向こう5年間の動向について詳しく解説しているもので、毎年、更新版が発刊されています。

内容は、その章構成を見るとおおよそ理解できますが以下の通りです。

第1章 5年後のITロードマップ
第2章 5年後の重要技術
第3章 複合的なITの活用による新サービスの可能性
第4章 現在のITトレンドを知る

「情報技術マップ」と「ITロードマップ」が最大の特徴

本書では、各分野(例:サーバや開発言語、セキュリティなど)において、現状どのような注目すべき技術があるのかということを示す「情報技術マップ」と、それら技術が向こう5年間の中でそれぞれどのように台頭(または衰退)していく可能性があるかについてビジュアル化した「ITロードマップ」の2つのマップを軸に解説を行っている点が最大の特徴です。しかも、これらマップは比較的深いレベルでの技術的考察に基づくものです。

たとえば、「情報技術マップ」では、サーバOSの分野において「クラウドコンピューティング」を先端技術の1つとして紹介しています。そして、この「クラウドコンピューティング」の「ITロードマップ」では、2013年頃からこの分野での競争がいよいよ激化して企業淘汰が始まるとともに、クラウドコンピューティングを使ったサービスは、"Infrastructure as a Service(IaaS)"と呼ばれるような、単に「システムインフラをレンタルしますよ」というサービスから、”Desktop as a Service (DaaS)"のようなインターネットにつながる端末さえあれば「OSからアプリケーションまで、ありとあらゆるサービスをネットワーク経由でレンタルしますよ」という社会になっていくだろうと予想しています。

ITに興味ある全ての人が対象

本書は、「効果的・効率的にIT技術の最先端を理解したい」という要望を持つ人に対して有用です。言い換えると、以下のような疑問に対する回答を見つける必要がある人たちにとって役立つものです。

「IT技術を今後どのように活用して新製品につなげていくべきか?」
「今ある社内システムを今後どのようなタイミングで入れ替えしていくか?」
「ソフトウエアを今後、内製化するか外製化するか?」
「どのようなエリアを重点的に勉強しておくべきか?」など
したがって、システムエンジニアのみならず、ITコンサルタントやIT部門長、そしてCIOをはじめとする経営陣など、幅広い読者層が対象となります。なお、経営陣向けには、技術ごとにエグゼクティブサマリが設けられています。

毎年購入する価値のある1冊

先述したとおり、どのような立場の人にも有益な情報源となるものです。特に毎年更新されることから、IT戦略を立てるような立場の人ならなおさら目を通しておきたい1冊です。「インターネットで検索をすれば、こんな情報など簡単に手に入るのでは?」という声も聞こえてきそうですが、ここまで整理されているサイトはないと思います。2,200円でこの内容は、極めて価値のある1冊であるということができます。

(文責:勝俣 良介