事例紹介: 株式会社シーディア

株式会社シーディア 代表取締役社長 高松 英樹氏

外勤技術者を守る体制の構築が、
顧客と当社の事業を守る

株式会社シーディア ロゴ

代表取締役社長 高松 英樹氏

想定リスク: 東京湾北部地震
業種: サービス業

-事業内容を教えてください。

当社は、モノづくりを支える戦略パートナーとして製造各社様への設計開発エンジニア派遣事業を行っています。事業は関東・関西を拠点に展開しておりますが、2010年からは九州半導体技術センターを立ち上げ、当社の持つ半導体分野における開発技術力と産官学連携によるネットワーク力を活かしたLSI受託開発事業の推進なども行っております。

また、日本だけではなく近年ではアジア圏での技術者のニーズも高まっているので、今後は中国やアジア主要都市を中心にしたサービス展開など、時代の変遷に応じた事業展開も行っていきたいと考えています。

-今回BCP策定に取り組まれた理由を教えてください。

東日本大震災では、既にデータバックアップを取るなどの対策を取っていた為、データ消失等の影響はなかったのですが、インフラが元に戻るまで業務上の混乱は続きました。電話がなかなか通じない状況で、本部の社員が懸命に派遣先にいる従業員の安否確認を行いました。その中でも、携帯電話の持込みが禁止されている機密性が高い派遣先の従業員と連絡を取るのは大変苦労しました。

当社の技術・サービスは人的資源によるところが大きく、混乱する状況下でも従業員の安否確認と、給料を支給するための勤怠処理を確実に行う体制を構築する必要性を感じました。

東京都BCP策定支援事業を通して、会社全体で認識を統一し、発災時においても従業員が自主的に行動できる仕組みを作ることを目指すことにしました。

-策定されたBCPの内容を教えてください。

派遣事業と請負事業をBCPの対象としました。両事業は契約形態が違いますが、従業員が外部の勤務場所において業務をしており、業務フローはほぼ同じであるという意味において、同じ対策が有効と考えました。

平時では新規の営業活動や人材募集は非常に重要ですが、発災直後では、緊急性が低いと判断しました。当社にとって、派遣先の業務や請け負っている業務が停止することは、自社のその事業が止まることを意味します。

そのため、最低限の本社機能の復旧と、派遣先従業員の自律的な対応が可能となる取組を目指しました。

本社機能としては、従業員の安否確認と、緊急時勤怠管理体制への移行を行います。特に、重要な経営資源である従業員を守る為に、勤怠データの受領、顧客への請求、従業員の給料支払という一連の業務は滞らないような体制を構築しました。

また、派遣先従業員に対しては、一時的にでも連絡が取れなくなった時のために、「携帯用BCP」として、緊急行動ルールを作成、配布することで、従業員が自主的に行動できるよう配慮しました。今後は、定例会議でBCP教育を行い、浸透を図っていきます。

さらに、被災により顧客先に従業員を新たに配属する必要が生じたときには、速やかに手配が行えるよう他支店からの応援体制を整え、主要メンバーが他拠点へ移動して、顧客への迅速な対応をすることにしました。

対象事業派遣事業、請負事業
対象リスク東京湾北部地震
被災シナリオ・ 本社の天井崩壊
・ 本社・営業所設備は回線切断、サーバ・PC損傷
・ 代表取締役の出張・負傷等による出社不能
予防・低減策・ 転倒落下防止策
・ 本社業務の標準化、他拠点でのバックアップの活用
・ 社内のガラス飛散防止策
代替策・ 緊急時勤怠管理体制へ移行
・ 大阪支店へ移動して従業員管理業務と代替スタッフ配置業務を再開
・ 他拠点からの臨時スタッフを派遣先へ手配

-苦労されたポイントや、新たな気付きはありましたか?

今までは、本社で決めたルールや基準を従業員に一方通行で伝えておりましたが、作ったBCPを従業員に浸透させるには、双方向のやり取りが必要だと感じました。従業員が各顧客先にいる人材派遣業は、そこがとても大変な業界の一つであると痛感しました。

また、今回の取組では、全社的なマネジメント力が向上するように、代表取締役の不在時でも、BCPが機能するよう意識しました。

今後、ヘッドがいなくても機能する組織を作るには、それぞれの役割を明確にすること、役割をわかりやすく伝えること、従業員が自分の役割を自覚することが欠かせないと思いました。

作る過程では、発災時からの対応を一つ一つ検討したことで、私たちだけでは気付くことができなかった業務を仕組化することができました。

-BCPを策定した感想をお願いします。

国内・国外ともに、企業のリスク対策や経営判断について、有事と平時の境目があまりなくなりました。国際的なテロや世界的な異常気象など、今まではあり得ないことと思われていたことが頻発している今、企業はBCP策定に取り組むべきと考えます。BCPがあるとないとでは、今後の経営判断や経営戦略づくりにも、企業間で大分差が出るのではないでしょうか。

今後は、同規模、同業種の他社の事例も参考にして、策定したBCPの実効性を高めていきたいと考えています。

株式会社シーディア BCP策定プロジェクトメンバーの方々

関連サービス詳細

プロジェクトメンバー

代表取締役社長高松 英樹 氏
業務支援本部宮城 淳 氏
技術営業本部 新宿営業所 課長川下 敏昭 氏
会社情報
称号: 株式会社シーディア
本社所在地: 東京都新宿区西新宿3-1-5
設立: 2004年5月
資本金: 3,000万円
従業員数: 115人
代表者: 代表取締役社長 高松 英樹
事業内容: 半導体、電気電子分野における技術者派遣、設計開発請負業
URL: http://www.seedea.asia

(2012年12月末日現在)

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