コンサルタントコラム

Kaizenはいたるところに

2017年01月26日

執行役員 兼 プリンシパルコンサルタント

内海 良

執行役員 兼 プリンシパルコンサルタント 内海 良
こんにちは。内海です。
年が明けたばかりだと思ったら、
もう1月が終わろうとしています。早いですね。
さて、みなさんは年末年始はのんびり過ごされたでしょうか。
私は例年になく、
クリスマス前から正月3が日まで休暇を取り、十分リフレッシュしました。

とはいえ、寝ているか仕事しているかが
生活の中心になっている私は、
そんなに簡単にスパッとオン・オフを
切り替えられるような性格ではありません。

休んでいても、スーパーでペットボトルを手に取りながら
「あの仕事の指示は大雑把だったかなぁ」とか、
レストランで食事中に
「この客の入り具合だともっとメニューを
絞ったほうがいいんじゃないだろうか」とか
「この店なら内装を変えて価格を1割あげてもいけるな」などと
すぐ考えてしまいます。

よくもわるくもそんな生活をしていると、
自分の仕事の改善のきっかけを得られることも多くあります。
そんな体験を年末年始のリフレッシュ中にしたので、
そのエピソードを紹介しましょう。

それは、ある北関東の温泉旅館に泊まったときのことです。
今回は奮発してとある有名旅行サイトで
常にベスト10に入る宿を予約しました。
当然、事前に食事や温泉施設はひととおり確認済。
こちらの期待値を超えるには
かなりハードルが高い状態だったといっていいでしょう。

そんななか、当日雪が散らつく最寄り駅に到着。
宿の送迎バスとドライバーが待ってました。

・・・まぁ、まだよくある話。

5分ほどで宿に到着。
旅館の仲居さんが車高の高い送迎車のドアを開けて、
降りやすいよう踏み台をすぐさま置きました。

・・・ふむ、丁寧な対応だな。

チェックインの際にウェルカムドリンクと名物お菓子が登場。
手早く部屋の鍵が2つ渡され、あれっと思っていると一言
「入浴時間は男女異なるので2つあると待たなくて便利ですよ」と。

・・・確かにそうだ、よく気が利く。

部屋に入る。荷物を置いてからするのはスマホの充電とWIFIパスワードだ。
館内案内があるであろう引き出しに手をのばすと、
その取っ手口に目立たないようWIFIパスワードが貼ってある。
引き出しを開けるのをやめた。

・・・なんか心を見透かされているよう。

テーブルの上には「お手数ですが記載ください」とアンケート。
見ると枕、敷布団、掛け布団の高さや硬さを選んでほしいとのこと。

・・・そこまでするのか。でも選ぶの楽しい。寝るのが楽しみ。

さっそく温泉でも入るかとエレベータを利用しようとすると、
ボタンの近くに小さな物体が貼ってある。静電気除去シートだ。

・・・確かにこの時期には嬉しい。人一倍静電気は苦手なのだ。

夕食になぜかシャンパンがいきなり出た。
誕生日が近いのでサービスです、と仲居さん。

・・・確かに予約サイトで誕生日を登録したような気がする。
それにしても、すばらしい。

部屋に戻ると希望の硬さの枕と布団が敷いてある。
そして帯止めのようなものがその上に
「浴衣の帯は外れやすいので、こちらははずれにくいですよ。
よろしければどうぞ」とメッセージを添えて。

・・・恐ろしいまでの気づかいだ。

翌朝チェックアウト。地元の美味しい水をお土産にもたせてくれた。

・・・この宿、最初から最後まで最高じゃないか!!

こんな具合で、その宿ではやること一つ一つに関心しっぱなしでした。
きっと私はもう一度来るし、
知り合いにもたくさん紹介するでしょう。
素晴らしい正の連鎖。

そして、いつもの癖で思ったのです。
この宿ができて他がしていない理由はどこにあるんだろうか。
どれもさほど投資が必要なものではない。
むしろお金がかからないものが大半です。

答えはおそらくシンプル。
そういうサービスを提供したいと思う人がいるか、いないか。

おそらく経営者がそういう強烈な哲学をもっているはず。
そして、その哲学が一本の芯となって
現場までまっすぐ降りているのでしょう。
とても現場なしで今回のような微に入り細を穿った
サービスのアイデアはでないはずです。

あまりに素晴らしいので帰り際に見送ってくれた仲居さんに、
だれがルールを作っているか、
どんな研修を受けているかの2点について訊いてみました。

「研修とか採用時にちょっとだけでほとんどないんですよ。
あとは常にみんなで気づいたことを話し合って決めています」

Kaizenコンセプトのすごいところは現場が主体的に考える、だ。
ここにもKaizenがあると感じた。
経営と現場がつながっている組織は強い。
我が社も見習わなければ。

宿の皆さん、勉強になりました。また行きますね。

そのとき新たなKaizenがあることを期待して。
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