コンサルタントコラム

虎との漂流生活とBCPの関係性!?‐映画「ライフ・オブ・パイ」から気づくこと‐

2013年02月27日

シニアコンサルタント

久野 陽一郎

シニアコンサルタント 久野 陽一郎

こんにちは。
コンサルタントの久野でございます。

今年もアカデミー賞の季節となりました。
今年の最優秀作品賞に選ばれたのは
ベン・アフレック監督の「アルゴ」。

1979年に起こったイランのアメリカ大使館人質事件で、
架空のSF映画を撮影すると言い、6人の外交官を
救出するという実話に基づいた作品だそうです。

そして最優秀作品賞は惜しくも逃しましたが、
最優秀監督賞など最多の4冠に輝いたのは
「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」で、
これは私にとって興味深い作品でした。

今回はこの映画を観て私が考えさせられた
ことについてお話させて頂きます。
(これより先はネタバレになりますのでご注意ください。)

この映画は虎と一緒に
救命ボートで旅をする少年の話です。
これだけだと何を言っているのか分からないと思いますので、
少しだけあらすじをご紹介致します。

インドで動物園を営む父を持つパイ少年。
しかし経営難により、動物園を閉園することになり、
動物をアメリカの動物園に売却することになります。

インドから売却先のアメリカへ動物を輸送中、
船が太平洋上で沈み、パイ少年は家族と離れてしまいます。
なんとか救命ボートに飛び乗り、危うく一命を取り留めます。

夜が明け、助かったと思っていたら、虎がボートに潜んでいて、
猛獣と海の上で遭難生活を送るという話です。

この作品は、圧倒的な映像美と、
二つの脅威に対するパイ少年の生に対する挑戦が見どころです。

ただでさえ、大海で遭難し、明日はどうなるか
わからないという思いをしているのに、
そこに腹を空かせた虎がいる。
人生でこんなことってあるでしょうか。

この二つの脅威に対して、パイ少年は
およそ彼の持ちうる全ての知恵を振り絞り、
対処していきます。

まず、当面の食料と飲料水の確保。
幸運にも救命ボートから備蓄品を発見し、
それをできるだけ長期間持つよう、管理していきます。

そして、雨水を貯めて飲み水とし、
手作りの竿を使って魚を釣ることに成功。
備蓄品以外の調達先を確保します。

これらに加えて赤道近くの熱い日差しをどう凌ぐか。
ボート内には虎がいるため、浮き輪を巻いて筏を作り、
猛獣から一定の距離を保ちます。
そこに布で日差し除けを設置して、
日焼けによるやけどを防いでいきました。

しかしパイ少年には、作った筏が台風で破壊されるなど、
次から次へと試練が訪れてきます。
その度に、あきらめそうになる気持ちを切りかえ
対応に工夫を凝らしていきます。

もちろん、パイ少年が繰り出すサバイバル術と
BCPは同じではありませんが、
企業が事業を継続する際にも活用できるところが
あるのではないかと思います。

例えば発見した備蓄品の数量を管理することは、
一定量の在庫を持つことであり、
雨水の貯蓄や魚釣りは、緊急時の調達先を確保することに
置き換えられます。

また、浮き輪を使った筏は施設が使用不可時の
代替拠点の設置と考えることができます。

このようにパイ少年が工夫を凝らし、
生き抜いていく様は、
対策を都度修正していく改善活動と繋がります。

3Dを駆使した映像美とパイ少年の生に対する執着が
観る人を魅了する「ライフ・オブ・パイ」。

何を観てもBCPに結びついてしまうのは
全くもって職業病かもしれませんが、
パイ少年が繰り広げる虎とのサバイバル生活から、

・厳しい状況設定の中でもできる範囲で最大限のことをやる
・それがダメだったら、工夫して改善し、すぐに次の策を実行する

というあきらめない姿勢が
事業継続にも大切だと気づかされた120分でした。

ご興味があればぜひ映画をご覧ください。