シニアコンサルタント
こんにちは。コンサルタントの高橋です。
ゴールデン・ウィークを直前に控え、
皆様、計画立案や準備に余念のない時候かと思います。
思えば8年前のこの時期、
私は現在住んでいるマンションに引っ越してきました。
当時、マンション購入を決めてから、より良い条件を求めるべく、
あらゆる不動産サイトを駆使して検索したものの、
これといった決め手がなく探しはじめて半年以上が経過していました。
よくある検索条件として、
最寄り駅、間取り、立地、築年数、価格等がありますが、
特にこだわりがないため、
一般的なおすすめ情報をもとに探しはじめると、
ありとあらゆる物件が抽出され、
どうにも決めかねてしまっていました。
そこで、意を決し、譲れない条件を一つだけに絞ることに方針を変え、
本当に求めるべきものを選ぶことにしました。
その条件とは「防音室」です。
私は趣味でギターやいくつか他の楽器を弾いており、
自宅スタジオを持つことがかねてからの夢でした。
また、妻もピアノを弾くため、
「24時間心おきなく音を出せる防音室付きのマンションに住みたい!」
という点で利害が一致。
以降、検索条件をフリーワードの「防音室」のみとしたものの、
ヒットするのは音大生向けのワンルームや、通勤が厳しい遠隔地、
それでなければ非常に高価な物件ばかりで、
居住に適した手頃なものはなかなか見つからず途方に暮れておりました。
ある休日、いつものように何気なく検索していると、
比較的近所に売り出されたばかりの物件が見つかったため、
他の条件はほとんど確認せず、
取りあえず実物を見に行こうということになり、現地に向かいました。
最初の直観は「気に入った!」です。
築年数こそやや経過していたものの、
「レトロな外観」という都合の良い言葉で自分を納得させ、
その場で不動産会社に連絡をとり、数日後に購入を決めました。
何と言っても、譲れない一つの条件を満たし、
かつ「気に入った」のですから。
高価な買い物をするのになんと乱暴なことか、
と思われるかもしれません。
しかし重要な選択であるからこそ、
譲れない一点にこだわるべきではないでしょうか。
進学、就職、結婚など人生には重要な選択をせまられる機会が
何度かありますが、一般論や他人の価値観に従うと、
あまり良い結果を生まないように思います。
(私の場合最初の就職がそうでしたが、その話はまた別の機会に…。)
とにかくゆるぎない「こだわり」を明確にすることが
幸福な選択の第一歩です。
そしてもう一つ大事なことは「気に入る」という感情です。
「気に入る」ということは、
その対象が自分の感性と同期しているということであり、
「こだわり」を満たしていることで、
感性にバイアスがかかり、
他の些末的な条件は自分に都合よく
整理され腑に落ちるようになります。
つまり、後悔しないのです。
実に多くの価値観と情報があふれている現在の世の中ですが、
その中から本当に価値あるものを手に入れるには、
自らの欲望を掘り下げ、「こだわり」を見つけ出すことが必要です。
そして「気に入る」という直感を大切にすること。
さて、我が家の防音室は、
今やほぼ全域をピアノとオーディオに占拠され、
残念ながらスタジオが構築された形跡はうかがえません。
しかし、いつかこの部屋から名曲が生まれると信じつつ、
綿々とギターを奏でる日々を過ごしております。
今年のゴールデン・ウィークは
自宅でまとまった時間を過ごすチャンスです。
いつの日か皆様に披露できる日がくることを
ご期待あれ!