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日経新聞による新型インフルエンザ対策状況調査

掲載:2010年05月20日

コラム

日本経済新聞(電子版)は2010年5月14日、企業における新型インフルエンザ対策に関するアンケートの結果を発表しました。この調査は、日本経済新聞社と「人と防災未来センター」(神戸)の共同アンケートで、2010年3月~4月に日経リサーチの協力の下で東証1部上場などの主要企業600社の担当者に調査票を送り、149社からの有効回答を得たものです。

         

事業継続計画 8割が用意

調査に回答した企業のうち、強毒性の新型インフルエンザなどを想定した「事業継続計画(BCP)」を策定済みの企業は57.7%、策定中の企業も含めると全体の81.9%にも及ぶという結果が出ました。

「事業継続計画を策定済み」と回答した企業の中で、8割以上の企業が取り組んでいる対策は下記の4つです。
  • マスク、消毒液などの備蓄
  • 手洗い慣行など社員や家族への感染予防対策
  • 感染した社員の一定期間の自宅待機
  • 感染した社員の申告のルール化など
逆に、「事業継続計画策定済み・策定中」の企業の多くで抱えている課題は下記の4つです。
  • 取引・納入先企業の対応策が不十分
  • 対応計画やBCPが十分整理されていない
  • 従業員の欠勤などを想定した人員計画のメドが立たない
  • 教育、訓練が不十分

数字から見える「容易な対策」と「時間を要する対策」

上記の「事業継続計画策定済み」企業の取り組みの内容は、ルールを策定しようとする意志と時間があれば可能な一般的な項目ですので、多くの企業が積極的に取り組めたのだと思います。

一方で、対策作りの課題に挙がったような、取引・納入先企業などの「社外に依存する事項」や策定したBCPの不十分さ、教育・訓練などの「策定したルールの整備・運用面の不備」については時間をかけて成熟させていくしかありません。

「社外企業に依存する事項」については、関係企業に対して事業継続計画の必要性について説明会を開催する、事業継続対策担当者同士の情報交換などで交流を深める、などのアクションが有効です。

「策定したルールの整備・運用面の不備」については、ルール・仕組みを作った初年度には不慣れなことも多いため、多くの課題が出てくるのは仕方がない事かもしれません。だからこそPDCAサイクル(※)の仕組みに当てはめて課題を正確に整理・把握し、常に改善活動を行っていくことで毎年より良い仕組みへと成長させていくための継続的に努力していくことが肝要になってくると思います。
※PDCAサイクルとは、事業活動における生産管理や品質管理などの管理業務を円滑に進める手法の一つで、Plan(計画)⇒Do(実施・実行)⇒Check(点検・評価)⇒Act(処置・改善)という4段階のサイクルプロセスの頭文字を取ったもの
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