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用語集

洪水・内水(こうずい・ないすい)

2013年08月29日

「洪水」は、水害の一種で“河川の氾濫”を指します。なお、河川の水は堤防を境に市街地の外側にあることから、その河川のはん濫による洪水を外水(または、外水はん濫)」と表現することもあります。

ちなみに、気象庁では「河川の水位や流量が異常に増大することにより、平常の河道から河川敷内に水があふれること、および、破堤または堤防からの溢水が起こり河川敷の外側に水が溢れること」と定義しています。
(出典:気象庁HP > 気象等の知識 > 予報用語より)
 
洪水(又は外水)に対し、堤防の内側、すなわち市街地にある水――たとえば下水管などが溢れる事態をさして、「内水(または、内水はん濫)」と呼びます。なお、気象庁では、こうした被害のことを浸水害しんすいがいとも呼んでいます。

洪水・内水が起きる原因

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こうした洪水や内水は、集中豪雨、局地的な大雨、台風による大雨などによって発生します。ちなみに、河川と下水はつながっていることから、洪水や内水のいずれかのみが起きる場合もあれば、両方の被害が同時に発生する場合もあります。

なお、内水は、基本的に下水の排水能力を超えたときに起こるもので、近年、その原因として特に注目されているのが局地的・集中的に短時間で雨が降る集中豪雨――いわゆる“ゲリラ豪雨”です。従来は外水ばかりが注視されてきましたが、近年内水からのはん濫が増加しています。具体的には、たとえば都市部では、一般的に、時間あたり約50mm相当の排水能力を持つ下水整備が進められてきましたが、近年、50mmを超える降雨が多発しているため、内水も頻発しています。

洪水・内水がもたらす被害

洪水・内水はそれぞれに特徴がありますが、いずれがもたらす被害も、決して小さくありません。洪水は、河川はん濫によるものであるため、川に含まれた土砂が広範囲に襲いかかり、復旧作業を困難にします。内水は、洪水に比べると発生範囲が限定されますが、ひとたびオフィスや居住区、地下施設などが集中した場所で発生すると、機器・設備などの物理的損壊や人的被害はもちろんのこと、停電や交通機関麻痺、通信遮断など、社会インフラにも甚大な被害をもたらします。実際、2000年9月の東海豪雨では、名古屋市の地下鉄が浸水で最大2日間運行停止、約47万人の足に影響を及ぼしたと言われています。
発生年 おもな原因 被害規模
2012年7月
(11~14日)
平成24年7月九州北部豪雨
(124mm/h@阿蘇市)
  • 電力:数時間一部地域で停電
  • 鉄道:新幹線数日間一部運休、私鉄・在来線1日~2週間一部運休(一部復旧に1ヶ月超)
  • 電話:数時間一部で通信障害
2011年7月
(26~30日)
平成23年7月新潟・福島豪雨
(93.5mm/h@加茂市)
  • 電力:水力発電に被害(停電せず)
  • 鉄道:1日~2ヶ月超一部運休
2010年10月
(18~21日)
奄美豪雨
(131mm/h@奄美市)
  • 電力:配電設備(電柱106本電線69箇所)が被災、1万1,100戸が停電、移動発電車による仮復旧
  • 水道:1,000戸弱にて断水
  • 通信:固定・携帯電話一部不通(100弱の基地局にて停波)
2009年7月
(19~26日)
平成21年7月中国・九州北部豪雨
(70.5mm/h@防府市)
  • 電力:中国40,200戸、九州3,410戸
  • 鉄道:1~4日間一部運休
  • 水道:一部の基地局にて停波
  • 道路:中国・九州自動車道や国道・県道で一部通行止め
2000年9月 東海豪雨(114mm/h)
  • 死者10名(重軽傷者115名)
  • JR・地下鉄一部運休

洪水・内水に向けた国の対策

洪水・内水ともに政府や地方自治体によるソフト・ハード両面からの対策が進められています。
ソフト面での対策としては、災害警報の仕組みの整備や、洪水・内水が起こりうる箇所を示した洪水・内水のハザードマップなどの作成・提供が進められています。とりわけ災害警報に関しては、近年の水害増加傾向に鑑み強化が図られています。具体的には、気象庁は新たに「特別警報」※というものを取り入れました。特別警報とは、従来の発表基準をはるかに超える豪雨や大津波などが予想され重大な災害の危険性が著しく高まっている場合、すなわち、数十年に一度しかないような非常に危険な状況が予想される場合に警告する発表を指します。

※2013年8月30日(金)0時から「特別警報」の運用を開始される予定です。詳しくは、気象庁HP > 気象等の知識 > 特別警報を参照ください。

企業に求められる対策

企業としての取り組みには様々なものがありますが、一般的には、人命を含む企業の重要資産保護を図ることを目的とした「緊急時対応」と、限られた資源の中で効果的・効率的に重要業務の継続を図ることを目的とした「事業継続」の大きく2つの観点での取り組みが求められます。

「緊急時対応」では、洪水・内水被害が発生した(あるいは発生しそうな)場合に、いち早く、社内外の関係者にアラートを挙げ、人員の安全確保や重要な施設・設備への被害防止措置(土嚢をつむなど)をとれる態勢整備をしておくことが必要です。そのためには、先述した気象庁などが定める警報の内容や発表基準などを正しく理解し、社内の動きと整合性を図っておくことが重要です。また、内水・洪水のハザードマップ※や水道局が公表している下水能力の資料などを参考にし、万が一、自社への発生可能性が高いことが確認された場合には、発電機や電子機器など水に弱い重要資産を少しでも高位に移動するなど、平時から発生可能性を抑える活動をしておくことも有効です。

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ハザードマップイメージ

他方、「事業継続」の観点では、不幸にして洪水・内水により自社に大きな被害が起きてしまった場合――すなわち、実際に浸水が起き施設機能が麻痺(施設停電など)してしまった場合、交通機関麻痺により人員出社が見込めなくなってしまった場合、あるいは、取引先からの搬入ができなくなってしまった場合――などに、どのように重要業務を継続するかその対策を検討しておくことが必要です。
 
※内水や洪水のハザードマップは、国土交通省ハザードマップポータルサイトなどから入手することが可能です。
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