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用語集

洪水・内水(こうずい・ないすい)

2018年07月10日

「洪水」とは、水害の一種で“河川の氾濫”を指します。なお、堤防を境に河川が市街地の外側にあることから、「外水(または、外水はん濫)」と呼びます。

洪水に対し、堤防の内側、すなわち市街地内を流れる側溝や排水路、下水道などから水が溢れる水害を、「内水(または、内水はん濫)」と呼びます。なお、気象庁では、内水を浸水害とも呼称しています。

洪水・内水が起きる原因

  1. 洪水の原因
    気象庁によれば、洪水の原因として「河川の水位や流量が異常に増大することにより、平常の河道から河川敷内に水があふれること、および、破堤または堤防からの溢水が起こり河川敷の外側に水が溢れること」とを上げています。
    (出典:気象庁HP > 気象等の知識 > 予報用語より)
     
  2. 内水の原因
    内水は、一般的に都市の排水能力(時間あたり約50mm相当)を超えたときに発生します。近年、局地的・短時間で雨が降る集中豪雨――いわゆる“ゲリラ豪雨”が増えたことで、近年50mmを超える降雨が多発しているため、内水も頻発しています。
     
  3. まとめ
    以上のように洪水や内水は、集中豪雨、局地的な大雨、台風による大雨や地震による堤防決壊によって発生します。ちなみに、河川と下水道がつながっていることから、洪水や内水のいずれかのみが起きる場合もあれば、両方の被害が同時に発生する場合もあります。

洪水・内水がもたらす被害

洪水・内水はそれぞれに特徴がありますが、いずれがもたらす被害も、決して小さくありません。ひとたびオフィスや居住区、地下施設などが集中した場所で発生すると、機器・設備などの物理的損壊や人的被害はもちろんのこと、停電や交通機関麻痺、通信遮断など、社会インフラにも甚大な被害をもたらします。実際、2000年9月の東海豪雨では、名古屋市の地下鉄が浸水で最大2日間運行停止、約47万人の足に影響を及ぼしたと言われています。
 
発生年
おもな原因
被害規模
平成29年7月九州北部豪雨
2017年7月(5日 - 6日)
7月4日より西日本で線状降水帯が形成されたことにより福岡県を中心に猛烈な雨が同じ場所で継続して降ったため、記録的な大雨となった。
九州北部地方では、7月5日から6日までの総降水量が多いところで500ミリを超え、福岡県朝倉市や大分県日田市等で24時間降水量の値が観測史上1位の値を更新。
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この記録的な大雨により、福岡県、大分県の両県では、死者37名、行方不明者4名の人的被害の他、多くの家屋の全半壊や床上浸水 など、甚大な被害が発生。発災 直後には2,000名を超える避難生活者が発生。
平成27年9月関東・東北豪雨
2015年(平成27年)9月9日から11日
台風第18号から変わった温帯低気圧からの湿った暖かい空気と日本列島に接近中の台風17号からの湿った風がぶつかり合い、関東地方で線状降水帯を形成。9月10日から11日にかけて、関東地方や東北地方では16の地点で、24時間降水量が観測史上最多記録。 常総市では、鬼怒川の堤防が決壊し、市面積の3分の1が浸水。多数の孤立者、要救助者が発生した他、電力や水道、鉄道等の社会インフラにも被害が発生。常総市における人的被害は、死者2名、負傷者30名。
平成28年台風第10号
2016年(平成28年)8月30日
8月21日(日)に四国の南海上で発生した台風第10号は、26日(金)には発達しながら北上し、30日朝には関東地方に接近、30日17時半頃、暴風域を伴ったまま岩手県大船渡市付近に上陸。この台風第10号の影響で、岩手県宮古市、久慈市で1時間に80ミリの猛烈な雨となるなど、東北地方から北海道地方を中心に西日本から北日本にかけての広い範囲で大雨。
死者23名、行方不明者4名、住宅の全壊513棟、半壊2,280棟、一部破損1,170棟、床上浸水278棟、床下浸水1,784棟
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1:内閣府「防災情報ページ」
2:国土交通省「『平成27年9月関東・東北豪雨』の鬼怒川における洪水被害等について」
3:消防庁「災害対策本部報告」
4:内閣府「平成28年台風第10号による被害状況等について」

洪水・内水に向けた国の対策

洪水・内水ともに政府や地方自治体によるソフト・ハード両面からの対策が進められています。
ソフト面での対策としては、災害警報の仕組みの整備や、洪水・内水が起こりうる箇所を示した洪水・内水のハザードマップなどの作成・提供が進められています。とりわけ災害警報に関しては、近年の水害増加傾向に鑑み強化が図られています。具体的には、気象庁は「特別警報」※というものを取り入れました。特別警報とは、従来の発表基準をはるかに超える豪雨や大津波などが予想され重大な災害の危険性が著しく高まっている場合、すなわち、数十年に一度しかないような非常に危険な状況が予想される場合に警告する発表を指します。

※詳しくは、気象庁HP > 気象等の知識 > 特別警報についてを参照ください。
※あわせて、特別警報の発表基準についてもご参照ください。

企業に求められる対策

企業としての取り組みには様々なものがありますが、一般的には、人命を含む企業の重要資産保護を図ることを目的とした「緊急時対応」と、限られた資源の中で効果的・効率的に重要業務の継続を図ることを目的とした「事業継続」の大きく2つの観点での取り組みが求められます。

「緊急時対応」では、洪水・内水被害が発生した(あるいは発生しそうな)場合に、いち早く、社内外の関係者にアラートを挙げ、人員の安全確保や重要な施設・設備への被害防止措置(土嚢をつむなど)をとれる態勢整備をしておくことが必要です。そのためには、先述した気象庁などが定める警報の内容や発表基準などを正しく理解し、社内の動きと整合性を図っておくことが重要です。また、内水・洪水のハザードマップ※を参考にし、万が一、自社への発生可能性が高いことが確認された場合には、発電機や電子機器など水に弱い重要資産を少しでも高位に移動するなど、平時から発生可能性を抑える活動をしておくことも有効です。

近年、気象予報が発達し、台風の場合は事前準備ができる環境にあります。国土交通省の取り組みとして、タイムライン※(防災行動計画)の策定を進めています。タイムラインとは、災害の発生を前提に予め被災状況を想定し、防災行動を時系列に整理した計画で「防災行動計画」ともいいます。タイムラインの導入により、起こりうる災害に備え早めに対応を促す効果が期待されます。

※詳しくは、国土交通省ータイムラインをご参照ください。

ハザードマップイメージ

他方、「事業継続」の観点では、不幸にして洪水・内水により自社に大きな被害が起きてしまった場合――すなわち、実際に浸水が起き施設機能が麻痺(施設停電など)してしまった場合、交通機関麻痺により人員出社が見込めなくなってしまった場合、あるいは、取引先からの搬入ができなくなってしまった場合――などに、どのように重要業務を継続するかその対策を検討しておくことが必要です。
 
※内水や洪水のハザードマップは、国土交通省ハザードマップポータルサイトなどから入手することが可能です。
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