震度とは?意味・震度階級・どう決まるのか・マグニチュードとの違いを解説
| 執筆者: | ニュートン・コンサルティング 編集部 |
| 改訂者: | ニュートン・コンサルティング 編集部 |
震度とは、地震による揺れの強さを表す指標です。地震情報で頻繁に用いられる言葉ですが、その意味や震度階級、マグニチュードとの違いまで整理して理解する機会は多くありません。本記事では、震度がどのように決まるのかを含め、震度の基本的な仕組みについてわかりやすく解説します。
1. 震度とは何か?定義と役割
震度とは、ある地点での”地震の揺れの強さ”を表す指標です。この指標は、国によって基準や幅が異なりますが、一般的に一から十数までの数字(震度階)によって表現されます。
日本では、0から7までの震度階に基づく「気象庁震度階」と呼ばれる指標が使われています。気象庁震度階による震度は、全国約4,400カ所に設置された計測震度計により自動計測された数値データに基づいて算出されています(※1)。
発表された震度情報は、被災後の安全確保や避難といった個人の行動から企業の初動対応(従業員の安否確認、安全確保、情報収集など)まで幅広く活用され、行政による人命救助や避難指示発令など災害応急対策の基準や判断材料になることもあります。報道機関では、地震発生時の特別番組への切り替え基準などに利用され、速報性が重視されています。
地震に関する指標には、規模を表す「マグニチュード」のほかに、地震動の強さを表す「カイン(速度)」や「ガル(加速度)」など様々なものがあるため、それぞれの意味や用途を正しく理解して使い分けることが重要です。
(※1)気象庁「震度・マグニチュード・地震情報について」
震度とマグニチュードの違い
地震に関する情報の一つである「マグニチュード」は、地震の規模を表します。「M」と表されることが多く、地震の規模が大きいのか小さいのかの程度を、小数点を用いて「M9.5」や「M7.0」「M-1」といった数値で表したものです。数値が大きいほど地震の規模が大きいことを示し、「M1」未満は人間が振動を感じることがない「極微小地震」とされています(※2)。マグニチュードは地震そのもののエネルギーの大きさを表すため、一つの地震につき、一つの値しか存在しません。マグニチュードが大きくなるほど震源域(地震による岩盤の「ずれ」が生じた範囲全体)は広くなります。
一方、震度は「〇〇市では震度5」「△△市では震度4」というように、ある地点での揺れの強さを表します。同じ地震でも各地で震度が異なる主な理由は、震源地からの距離や地盤・地形の違いです。
地震の揺れは震源地から離れるにつれて減衰し、弱くなっていく性質があります 。そのため、一般的に揺れの強さは、地震が発生した震源地や断層が破壊された震源域に近いほど強く、遠ざかるほど弱くなります。
マグニチュードが大きな地震であっても、震源から遠く離れた場所では震度は小さくなり、反対にマグニチュードが小さくても、震源の近くにいれば大きな揺れを感じるため震度は大きくなります。また、平野や盆地のように軟らかい砂や粘土が厚く堆積している場所は地盤が軟弱で、硬い岩盤に比べて地震波が増幅され、揺れが大きく(震度が大きく)なります 。
【表1】マグニチュードと震度の比較
| 定義 | 決定方法(気象庁) | 値の特徴 | 事例 (東日本大震災) |
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|---|---|---|---|---|
| 震度 | 特定の場所での揺れの大きさ |
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| マグニチュード | 地震そのものの大きさ |
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気象庁「震度・マグニチュード・地震情報について」「平成24年12月地震・火山月報(防災編)」を基にニュートン・コンサルティングが作成
前述したように、地震の揺れは震源に近いほど強く、震源から遠いほど弱くなりますが、気象庁の資料によると、震源が深い地震「深発地震」では、震源から遠い太平洋側の地域の方が強く揺れる「異常震域」が発生する場合があるとされています。これは、太平洋側に地震波が減衰しにくい海洋プレートがあり、地震波がその領域を通過することで比較的強い状態を保ったまま揺れが伝わる現象です(※3)。震源から遠く離れた場所でも、想定外の強い揺れが起こり得る点には留意が必要です。
(※2)防災科学技術研究所「1.2 マグニチュード」
(※3)気象庁「~異常震域について~」
2. 震度はどのように決まるのか
震度は、1996年より計測震度計で観測されたデータを基に自動計算されています。それまでは気象庁の職員が体感で震度観測を行っていましたが、職員のいない場所については被害状況や聞き取りなどの現地調査により震度の推定が行われていました。
気象庁では、計測震度計でデジタル処理された「計測震度」の値を「気象庁震度階級」に換算し、「震度」として発表しています。計測震度4.5以上5.0未満が「震度5弱」、計測震度5.0以上5.5未満は「震度5強」というように換算されます。
気象庁震度階級表に基づいた震度4以上の「計測震度」と「震度」の関係は、下表のとおりです。
| 震度 | 4 | 5弱 | 5強 | 6弱 | 6強 | 7 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 震度計の計測震度 | 3.5~4.4 | 4.5~4.9 | 5.0~5.4 | 5.5~5.9 | 6.0~6.4 | 6.5以上 |
計測震度の算出方法は、上記の“デジタル処理”で行われる過程です。地震が発生すると、計測震度計で加速度波形を観測し、それを基にフーリエ変換やフィルター補正、計算式への代入などの計算を行います。計測震度の計算には①加速度(速度の変化率)の大きさ、②揺れの周期、③継続時間が考慮され、算出されます。そのため、最大加速度が大きくても、その場所の計測震度が大きくなるとは限りません。
3. 震度は何段階あるのか
気象庁の地震情報で発表される震度は「気象庁震度階級」と呼ばれ、揺れの程度によって10段階(震度0~4、震度5弱・5強、震度6弱・6強、震度7)に区分けされています。それぞれの震度階級での「人の体感・行動」および「屋内の状況、屋外の状況」は下表の通りです。
【表2】震度階級と人の体感・行動、屋内の状況、屋外の状況
| 震度階級 | 人の体感・行動 | 屋内の状況 | 屋外の状況 |
|---|---|---|---|
| 0 | 人は揺れを感じないが、地震計には記録される。 | - | - |
| 1 | 屋内で静かにしている人の中には、揺れをわずかに感じる人がいる。 | - | - |
| 2 | 屋内で静かにしている人の大半が、揺れを感じる。眠っている人の中には、目を覚ます人もいる。 | 電灯などのつり下げ物が、わずかに揺れる。 | - |
| 3 | 屋内にいる人のほとんどが、揺れを感じる。歩いている人の中には、揺れを感じる人もいる。眠っている人の大半が、目を覚ます。 | 棚にある食器類が音を立てることがある。 | 電線が少し揺れる。 |
| 4 | ほとんどの人が驚く。歩いている人のほとんどが、揺れを感じる。眠っている人のほとんどが、目を覚ます。 | 電灯などのつり下げ物は大きく揺れ、棚にある食器類は音を立てる。座りの悪い置物が、倒れることがある。 | 電線が大きく揺れる。自動車を運転していて、揺れに気付く人がいる。 |
| 5弱 | 大半の人が、恐怖を覚え、物につかまりたいと感じる。 | 電灯などのつり下げ物は激しく揺れ、棚にある食器類、書棚の本が落ちることがある。座りの悪い置物の大半が倒れる。固定していない家具が移動することがあり、不安定なものは倒れることがある。 | まれに窓ガラスが割れて落ちることがある。電柱が揺れるのがわかる。道路に被害が生じることがある。 |
| 5強 | 大半の人が、物につかまらないと歩くことが難しいなど、行動に支障を感じる。 | 棚にある食器類や書棚の本で、落ちるものが多くなる。テレビが台から落ちることがある。固定していない家具が倒れることがある。 | 窓ガラスが割れて落ちることがある。補強されていないブロック塀が崩れることがある。据付けが不十分な自動販売機が倒れることがある。自動車の運転が困難となり、停止する車もある。 |
| 6弱 | 立っていることが困難になる。 | 固定していない家具の大半が移動し、倒れるものもある。ドアが開かなくなることがある。 | 壁のタイルや窓ガラスが破損、落下することがある。 |
| 6強 | 立っていることができず、はわないと動くことができない。揺れにほんろうされ、動くこともできず、飛ばされることもある。 | 固定していない家具のほとんどが移動し、倒れるものが多くなる。 | 壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する建物が多くなる。補強されていないブロック塀のほとんどが崩れる。 |
| 7 | 固定していない家具のほとんどが移動したり倒れたりし、飛ぶこともある。 | 壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する建物がさらに多くなる。補強されているブロック塀も破損するものがある。 |
気象庁「気象庁震度階級関連解説表」を基にニュートン・コンサルティングが作成
- 人の体感・行動:
震度0では人が揺れを感じることはなく、地震計にのみ記録されます。震度3で屋内にいるほとんどの人が揺れを感じ、震度5弱になると大半の人が恐怖を覚える段階に達します。ほとんどの人が物につかまらないと歩くことが難しいなど、行動に支障を感じ始めるのが震度5強です。震度6強・震度7になると人は立っていることができず、揺れによって飛ばされる場合もあります。 - 屋内の状況:
震度2で電灯などのつり下げ物がわずかに揺れ始めます。震度4になるとつり下げ物は大きく揺れ、棚にある食器類が音を立てます。震度5強で棚に置かれた本や食器は落ちるものが多くなり、震度6強では固定していない家具のほとんどが揺れによって移動してしまいます。震度7では固定していない家具が飛ぶこともあります。 - 屋外の状況:
震度3は電線が小さく揺れる程度ですが、震度4になると電線が大きく揺れ、車を運転している人が揺れに気づくこともあります。震度5強で車の運転が困難になり、震度6弱では建物の壁タイルや窓ガラスが破損・落下するケースが出てきます。震度6強・震度7になるとブロック塀にも破損などの被害が及びます。
震度5弱・5強・6弱など「強弱」の違い
現行の震度階級では、震度5と震度6がそれぞれ「震度5弱」、「震度5強」および「震度6弱」、「震度6強」に分割されています。強弱の区分が導入されたのは阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震、1995年)の翌年の1996年でした。震度問題検討会での議論により、震度5と震度6は揺れの大きさや被害状況の幅が広いため、震度階級を分割することが防災上有効であると判断されたのです(※4)。震度5弱と5強、震度6弱と6強とでは、体感や被害状況が具体的に以下のように異なります。
- 震度5弱/5強:
5弱では多くの人が恐怖を感じて物につかまりたいと感じますが、5強になると物につかまらないと歩くことが難しくなり、行動に支障を感じ始めます。屋内では、5弱は棚の食器や本が落ちる程度ですが、5強は落ちるものが多くなり、テレビが台から落ちることもあります。屋外では、5弱はまれに窓ガラスが割れる程度ですが、5強は補強のないブロック塀の崩壊や自動販売機の転倒が起こります。 - 震度6弱/6強:
6弱は立っていることが困難になる段階ですが、6強になると立っていることができず、はわないと動けない状態になります。屋内では、6弱は固定していない家具の大半が移動しドアが開かなくなることがありますが、6強は固定していないほとんどの家具が移動し倒れるものが多くなります。屋外では、6弱は壁タイルや窓ガラスが破損・落下しますが、6強はその被害がさらに増大します。また、6強では補強されていないブロック塀のほとんどが崩れます。
(※4)気象庁「震度の活用と震度階級の変遷等に関する参考資料」
4. まとめ:震度とは地震の揺れの強さを示す指標
震度は地震発生時の各地域の「揺れの強さ」を表す指標で、全国各地に設置された地震計の観測データから求められます。地震そのものの大きさを示す「マグニチュード」とは異なり、同じ地震でも震源からの距離や地盤の硬軟によって震度の数値は変わってきます。
首都直下地震や南海トラフ巨大地震の発生が懸念される中、震度を正しく理解し、それぞれの段階で想定される屋内外の被害状況を知っておくことは、迅速な避難行動や事前の備えに直結します。企業においても、想定される震度の段階に応じて帰宅困難者への対応や備蓄品の準備、代替拠点の確保といった備えを進めておくことが求められます。