風水害対策支援サービス
風水害対策の必要性
近年、日本のみならず世界的にも大規模な風水害が多発しており、今後も気候変動の影響により、極めて規模の大きい風水害の増加が予測されています。
そこで、日本においては、国土交通省が風水害への備えとしてタイムラインの策定などを呼び掛けています。また、2015年の水防法改正に伴い、新しい浸水想定区域図が次々と発表されているほか、一定の条件を満たす大規模な事業所に対しては、浸水防止計画の作成、 訓練の実施、自衛水防組織の設置を努力義務として求めています。
こうした実情を考慮すると、企業は自社の風水害リスクを把握し、対策を進めておく必要があるといえるでしょう。当サービスでは、風水害に対応するBCP策定支援として、タイムライン策定をサポートいたします。
※風水害とは強風と大雨および高潮、波浪により起こる災害の総称です。具体的には下記のような災害があげられます。
- 土石流:集中豪雨などによって山腹や川底の土砂が一気に押し流されること
- 外水氾濫(川沿いで多い):河川の堤防から水が溢れ又は破堤して、家屋や田畑が浸水すること
- 内水氾濫(都市部で多い):降雨量が排水能力を超え、住宅や農地が水につかること
- 高潮(沿岸部):台風など強い低気圧の来襲により、波が高くなり、同時に海面の水位も上昇すること
サービスの流れ
風水害に対応するBCP策定支援として、タイムライン策定をサポートします。まず、ハザードマップや他社事例から、自社が直面しうる課題を洗い出します。さらに、台風などの発生の予報が出てから直撃・収束まで、時間経過に合わせて災害発生前の段階からとるべき行動を明確にします。台風などの直撃時刻を0として、例えば72時間前、48時間前、24時間前、直撃後72時間などに「誰が、何をするのか」を整理します。
- 策定手法:ワークショップ形式
- 効果:災害時に発生する状況を予め想定し、その時間ごとに誰が何をするのかを整理するため、自社内での役割やルールが明確になります。さらにワークショップ形式で策定することにより、異なる立場・部署の方々を巻き込みながら効果的な対策構築が可能です。
水害に関するタイムライン(案)
なぜタイムライン策定が必要か
地震などの事前予測や準備が困難な災害は「突発型災害」と呼ばれます。一方、災害発生までの現象が長時間にわたり、事前に被害の規模などがある程度想定できる風水害などの災害は「進行型災害」と呼ばれています。「突発型災害」である地震と「進行型災害」である風水害では、その特徴に表1のような違いがあります。
地震と風水害とでは時間経過に伴う被害の様相が異なり、地震対策だけでは、とりわけ重要な人命に関わる初動対応や対策本部の動きなどに対応しきれません。このため、別途発災前の行動を時系列で示したタイムラインの策定が望まれます。
表1. 地震と風水害の被害と対応の違い
図1. 地震・風水害発生時の時間経過とともに及ぼす影響
さらに、日本には下記のような特性があることにも留意しておく必要があります。
- アジアモンスーン地帯に位置しているため、年間降雨量は世界平均の約2倍
- 1時間降水量50mmおよび80mm以上の年間発生回数が増加傾向にある
- 国土の約10%である想定氾濫区域に人口の半分が集中している
特に人口の多くが集中している東京都では、浸水被害の影響が大きい大規模地下街や一定規模以上の床上浸水が集中して発生した地域において、1時間75mmの降雨への対応を進めています。それでも1時間に80mm以上の降雨があると現状の対策では対応しきれません。
加えて、日本のみならず世界的にも大規模な風水害が多発しており、各地で多数の被害が報告されています。
特に中国、インドネシア、インドなどのアジア諸国、およびアメリカやメキシコでは風水害による被害は例年報告されています。これらの地域は日本企業も多く進出しており、これまでもサプライチェーンの寸断により操業が困難になる企業も発生しています。経済的損失も大きく、とりわけ2005年9月に発生したハリケーン「カトリーナ」では数百億ドルにものぼりました。
そのため風水害の脅威を軽視せず、タイムライン策定などの対策を検討することを推奨します。