株式会社しまうまプリント 様

各拠点の特性を踏まえたBCPで
頻発する災害に備える

株式会社しまうまプリント様は2010年に創業され、写真・イメージング関連領域で様々なサービスを展開されるキタムラ・ホールディングスグループの一員として、インターネット写真プリントやフォトブック作成、年賀状サービスなどを展開されています。 この度、ニュートンの事業継続(BCP/BCM)構築サービスをご利用いただき、BCP策定に取り組まれた経緯と成果について、執行役員 インフラ部 部長 小林 徹聡 様にお話をうかがいました。

 

―貴社の事業内容をお聞かせください。

小林:当社は、主に個人のお客様を対象として、インターネットを利用した写真プリントやフォトブック作成、年賀状サービスなどを展開しています。当社はTSUTAYAおよび蔦屋書店など多数の事業を手掛けるカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)グループの一員であるキタムラ・ホールディングスの子会社にあたります。カメラのキタムラで知られるキタムラ株式会社など、写真・イメージング関連領域のサービスを展開する多数の兄弟会社があります。

当社はインターネットからご注文を受け、お客様がスマートフォンやデジカメなどで撮影された写真をプリントするネットプリントサービスをメインとしているのが特徴です。そのため、お客様の多くはインターネットの利用に抵抗のない世代の方であり、小さなお子さまのいるファミリー層などに多くご利用いただいています。

インターネット経由でご注文をお受けする形態のため、当社では24時間365日の受付を可能にするシステムをクラウドベースで構築しています。また、できるだけ早く商品をお届けすべく、工場でもシステムを構築し自動化を進めています。

 

―これまで取り組んでこられた防災対策についてお聞かせください。

小林:当社は東京本社のほか、熊本と鹿児島、福岡に拠点があります。熊本と鹿児島にはそれぞれ大きな工場があるため、火災に備えて工場内に消防団を結成しており、年に一度消防士を招いた訓練を実施したり、緊急連絡網を整備したりといった対策をしていました。

とはいえ、これらは熊本、鹿児島2拠点の工場における防災対策です。BCP策定に乗り出す以前は、東京本部やエンジニアのみで構成される福岡の拠点では有事への備えは安否確認システムの導入程度となっていました。

熊本地震での被災がBCP策定の後押しに

―BCP策定に取り組むことになったきっかけについてお聞かせください。

小林:最初にBCP策定の必要性を実感したのは、東日本大震災のときです。当時は工場の中にサーバを置いていたのですが、震災の直前あたりから有事対策だけでなく、24時間365日のサービス提供を確実にするため、電源供給や災害対策の整ったデータセンターのサーバラックを借りようという検討をしていました。その準備をしている最中に、東日本大震災が起きたのです。

地震発生後は東京でも停電が起き、出勤することもできず、非常に不安な時間を過ごすこととなりました。震災後は都内にあるデータセンターにサーバを置くようになったのですが、このときに、BCPについてしっかり考える必要があるという思いを持つようになりました。

さらに、BCP策定の大きな後押しとなったのが、2016年の熊本地震です。東日本大震災の経験を踏まえてBCP策定を検討している最中に熊本の工場が被災してしまいました。発災から一週間後には一部の業務が復旧できたものの、避難所での生活を余儀なくされた社員もおり、完全な復旧を果たすにはおよそ一か月程度かかりました。熊本地震では鹿児島の拠点から応援に行ったり、東京から各拠点に情報を伝達したりと、全拠点を統括して対応を進める必要がありました。

いわゆる「BCP」にあたる作業を初めて経験したのが、この地震のときだったといえます。当時は東京本部にいた副社長と私が対応をしたのですが、今後このような災害が起きた場合に確実に命を守り、迅速な復旧を果たすために、早急にBCP策定に取り組もうということになりました。

 

―ニュートン・コンサルティングをお選びいただいた理由は何でしたか。

小林:はじめは自分達だけでBCP策定に取り掛かったのですが、リスクアセスメントを始めてみると膨大な時間がかかり、独力での策定は困難であると感じました。様々なことを調べながら進めなくてはならないため、時間ばかりかかってしまうのです。そこで、BCP策定のための予算を確保し、リスクマネジメントを専門とされているコンサルティング会社に相談しようということになりました。

数社にお声掛けをさせていただいたのですが、ニュートンさんは、「こういうことをやりたいのだ」という私達の要望に対して、「それではこうしましょう」という明確なご提案をいただけたのが印象的でした。弊社の拠点はそれぞれ環境が異なる遠隔地にある上、東京では本社機能を担い、熊本・鹿児島では工場を稼働しています。また、通勤やシフト形態なども電車・自動車、日中勤務・シフト勤務と異なっており、各拠点の業務内容や役割も大きく異なります。そのため、当社のBCP策定にあたってはそれぞれの違いを踏まえて検討しなくてはなりません。

このような当社ならではの状況を考慮し、策定すべきBCPとその考え方を提示してくださったことが、ニュートンさんへのご依頼を決めた理由です。また、緊急時の緊急対応や危機対応はもちろん、その後の事業継続対応・事業復旧対応についてしっかりとした内容のご提案をいただけたことも心強く感じました。

リモートでのやり取りを中心に、半年間で3拠点のBCPを策定

―プロジェクトの概要を教えてください。

小林:約半年でBCPを策定するという今回のプロジェクトは、大きく分けてフェーズ1とフェーズ2の2段階で進めました。まず、フェーズ1では事業影響度分析とリスク分析を行いました。事業影響度分析では、利害関係者からのニーズや社会的責任を考慮し、BCP対象事業・サービスの選定を行いました。続くリスク分析では、各主要拠点の自然災害に関するリスクの洗い出しを行い、想定される事象や懸念すべき事態について検討を行いました。

これらフェーズ1での分析結果を基に、BCPの基本方針とBCPを策定すべき対象拠点(本社、鹿児島ラボ、熊本ラボ)を決定し、その後のフェーズ2では選定された対象拠点の初動対応計画と事業継続計画を、関係者を交えたワークショップを通じて策定しました。

各拠点の計画策定後には机上訓練を実施し、各種計画の実効性の検証も行いました。訓練では緊急時の対応手順について再検討を行えただけでなく、現状では不足しているものや残存リスク、必要となる施策案について洗い出すことができ、今後の活動のインプットを得ることができました。

 

―今回のプロジェクトの成果はいかがでしたか。

小林:熊本地震で被災し、最前線で対応にあたった熊本事業所のメンバーをはじめ、各拠点にはそれぞれ過去の経験から得た知恵や教訓、気づきが蓄積していました。今回のプロジェクトではそれらの声をしっかりと聞き取り、今後に活かすためのBCPとして集約できたと感じています。

現在、キタムラ・ホールディングスではグループ全体としてBCP策定を推進する流れがあります。今回のプロジェクトは、そのためのパイロット運用としての側面がありました。今回、ニュートンさんにまとめていただいたBCPや伝授いただいたナレッジをグループ内で共有することで、グループ各社のスムーズなBCP策定に貢献できればと考えています。

 

―今回のプロジェクトは、Web会議システムを利用してリモート式で進められました。その点のご感想はいかがですか。

小林:昨今はコロナ禍ということでリモートでのやり取りが急増していますが、当社は拠点が遠隔地にあるという事情から、昔からテレビ会議などを利用してリモートでやりとりをしてきました。そのため、今回のプロジェクトをリモート式で進めることについても、まったく違和感がなかったというのが感想です。今回、BCP策定のワークショップや資料の共有等をリモートでしていただきましたが、何も問題はありませんでした。

プロジェクトで得た知見を活かし、さらなる進化を目指す

―ニュートンのコンサルティングはいかがでしたか。

小林:今回のプロジェクトにあたっては、単に成果物を得るだけではなく、BCPの考え方や専門家ならではのノウハウを伝授いただきたいと期待していました。それによって、私達自身がこれまで培ってきた知恵を整理することができ、BCPについての根本的な理解を深められると考えたためです。ニュートンさんのコンサルティングは、まさにそうした期待に応えてくれました。

ワークショップの際にも、事前に打ち合わせをし、司会進行をし、資料を出していただくといった一連の流れをしっかりコントロールしていただき、当社の求めるナレッジをいただくことができたと感じています。

 

―今後の取り組みについて教えてください。

小林:今後の課題として考えていることの一つは、今回のプロジェクトで策定したBCPや得られた知見をグループで共有し、兄弟会社の皆様のBCP策定に役立てていただけるようにするということです。会社によって事情は異なりますが、当社の例を各社の有意義なBCP策定のヒントにしていけるのではと思っています。

また、当社においても、継続的なBCPの取り組みを続ける必要があります。近年の企業を取り巻く多様なリスクに対応するためには、今回策定したBCPに続き、第2、第3のパターンを考えていく必要があるでしょう。BCPを定着させ形骸化を防ぐためには継続的な訓練も欠かせず、ここからがスタートと考えています。

今回のプロジェクトの成果を役立てながら、状況に合わせた柔軟な取り組みを展開していきたいと考えています。

 

―本日は誠にありがとうございました。

担当の声

コンサルタント  清水 洪軌

強い意志を原動力に、3拠点のBCP策定をスムーズに実現

最初にしまうまプリント様よりBCP策定支援に関するご相談をいただいた際に、既にグループ会社への展開も見据えていただけでなく、自分たちが率先してBCPを策定する必要があるという強い意志を持たれていたことに驚かされました。そして、その意志があったからこそ、コロナ禍であっても、プロジェクトが滞りなく遂行できたのだと感じております。

本プロジェクトでは、東京本社、鹿児島ラボ、熊本ラボ、計3拠点のBCP策定を行いましたが、策定ワークショップはリモートで行うことになりました。BCP策定のために必要な分析手法やワークシートへの入力方法について、画面越しでお伝えするという点では私も若干の不安を感じておりました。しかし、いざ始まってみると参加者の皆様は積極的に事業継続策について検討していただき、リモートでのやり取りについても戸惑うことなく、ワークショップはスムーズに進行していきました。

何より、参加者の皆様が「自分たちにはBCPが必要である」という意識を持たれており、その姿勢に救われて、私も抵抗なく進行役を務めることができたのだと思います。終始、強い意志を持ってBCP策定に臨まれたしまうまプリント様のご支援ができたことを、私自身も非常に嬉しく感じております。

お客様情報

名称 株式会社しまうまプリント
本社所在地 東京都新宿区西新宿6丁目16-6
設立 2020年4月1日(しまうまプリントシステム株式会社より分社)
代表者 代表取締役社長 髙橋 洋一郎
事業内容 インターネット写真プリント・フォトブック・年賀状サービスの運営 システム開発
URL https://www.n-pri.jp/

(2021年2月現在)

プロジェクトメンバー

お客様

執行役員 インフラ部 部長

小林 徹聡 様

ニュートン・コンサルティング

コンサルタント

清水 洪軌

コンサルタント

脇屋 新

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