ビーティス様

522_ext_16_0.png

株式会社ビーティス様は、IBM i(旧称AS/400)システムの二重化製品(Quick-EDD)の販売・サポート・運用サービスを提供しています。Quick-EDDの導入により、本番機が停止してもバックアップ機に切替えた業務継続を可能にし、災害やシステム障害等の不測の事態からデータを守り、事業を継続できるようにします。こうしたBCPソリューションを提供され、またすでに昨年BCPを策定されたことから、同社は「The BCP company」を標榜されています。今回、取り組まれたISO22301認証取得について、代表取締役の高野元氏、BCP事業部部長の山崎将氏にお話を伺いました。

522_ext_05_1.png

代表取締役社長(CEO)  高野 元 様

―BCP策定に取り組んだきっかけを教えてください。

高野社長: 当社はお客様にBCPソリューションを提供する企業ですから、自社のBCPについては強く意識していました。きっかけはやはり東日本大震災です。後日、決めた行動指針通りにきちんと動けたのかということを検証したのですが、残念ながら、あらかじめ準備していた体制がうまく機能したとは言えない状態でした。そこで昨年、お客様向けの技術サービス(製品の保守・サポート)事業を対象に本格的にBCPを策定しました。当社はすでに2008年にISO27001を認証取得してIT BCPにも取り組んでいたのですが、広く会社の業務全般をカバーしたいと考え、本格的にBCPに取り組むことにしました。

―策定されていたBCPはどのようなものですか?

高野社長: 対象とした業務は、BCPソリューションとしてお客様に提供しているHA/DR(High Availability/Disaster Recovery)製品のサポート業務で、平時から24時間365日の体制で行っています。サポートは通信インフラがないと成り立たない業務なので、数十分で通信インフラが麻痺した東日本大震災時には、そこまでの問合せ増はありませんでしたが、ネット上では受付を継続し、その日のうち、3~4時間後にはお客様に緊急コールセンターの案内をアナウンスすることができました。インフラの状態にかかわらず多くのコールをきちんと受け入れる体制を築きたいと思い、東京湾北部地震を対象リスクにBCPを策定しました。

BCP策定から認証取得まで一気に進めました

522_ext_05_2.png

内部監査を担当された 営業本部マーケティング課 課長 野口 義夫 様

―認証取得まで進めようと思った理由は何でしょうか。

高野社長: BCPの策定と前後してISO22301が公開されたので、その基準に則り、導入済みのISMSとの将来的な統合を見据えて一気に認証取得まで進めることにしました。私はもともとBCMSがISO化される前のBS25999-2のときからBSIのトレーニングコースにも出席したり、認証取得の意欲を強くもっていたのです。

山崎部長: ISO27001を取得したのは2008年のことで、IT BCPソリューションやセキュリテイー関係の製品を提供している当社としてはISMSの取得は必須と考えていました。当時の導入は半年ほどかかり、これまでに1回更新しています。今回はBCPの策定が完了したのが8月で、そのまま認証取得に取り組みました。ニュートンさんからは1月に取得できると提案いただきましたが、業務の都合上、結局3月末の取得となり、半年あまりのプロジェクトになりました。BCMSに足りない部分を中心に支援していただいたため、短期間で期間も短く進めることができました。

規格を深く理解したプロによるサポートで安心して進められた

522_ext_05_3.png

―ニュートン・コンサルティングのコンサルはいかがでしたか。

山崎部長: 自力で取得するという選択肢も考慮しましたが、費用的にかなり安く提案していただきましたので、ニュートンさんへの支援依頼を決めました。当初の提案になかったサポートまで積極的に対応していただき、感謝しています。やはり規格を深く読み込んでいて、文章ひとつひとつの“隠された”意味も理解した上で的確にアドバイスしていただけたので、安心して進めることができました。どうまとめていいかわからないような箇所も多かったのですが、さすがプロだなと実感しました。書類の作成は全体がつかめず手探り状態でしたので、サポートいただけて大変助かりました。

―この後の展開としてはどのようなことを考えていらっしゃいますか?

高野社長: これまでは審査に通ることに注力していたのですが、言うまでもなく、それ自体が目的というわけではなく、実際にPDCAを回していくことが重要だと思っています。今後は社内教育や訓練・演習を充実させて実効性のあるBCPを確立していきたいと思います。安否確認のテストはこれまでも年に2回ほど続けてきたのですが、今後は机上演習と実働訓練も実施する予定です。東京が被災して災害対策本部は大阪と札幌に1時間以内に立ち上げるというシナリオですから、大阪や札幌の事業所も巻き込み、BCPの実効性を高めていきたいと考えています。またBCPマニュアルの内容もつねにアップデートしていきます。

今回取得して、早速、認証ロゴマークを名刺に刷り込んだり、ウェブサイトやFacebookでもアピールしています。ISO22301の普及にも寄与したいと思っています。社内的な教育という面でも、認証取得をアピールすることで、お客様にコンサルティング的な立場からセールスを進めることができるという効果がありますので、セールススキルのかさ上げとして社内教育を強化したいと思っています。

522_ext_05_4.png

BCP事業部部長 営業本部長 山崎 将 様

通常、BCPでは漸次的に復旧していくシナリオを立てると思いますが、私たちの業務では、大地震等が発生すると切替えに伴うお客様からのお問合せが増大することが想定されます。そこで通常を100%として直後は200%、その後は150%という高い目標復旧レベルを設定しました。

山崎部長: 当社は東京・大阪・札幌の3拠点で業務を展開しています。緊急コールは、平日昼は東京本社および大阪事業所で電話対応し、夜間祝日、あるいは東京が被災した場合は札幌のコールセンターがフリーダイヤルで受付けの上、対応可能な技術者が即座に対応します。この3拠点を使うことによって高い目標復旧レベルを実現できることが私たちの強みとなっています。

高野社長: 当社は、じつは昨年までの2年のうちに3事業所とも社屋を移転しています。大阪事業所の移転は一昨年、液状化や浸水等の立地条件に不安のあった東京本社と、新耐震基準以前のビルにあった札幌事業所を、BCP策定の直後、同じタイミングで移転しました。もともと防災面での不安をもっていたのですが、BCP構築によって背中を押された形です。

522_ext_05_5.png

事務局として実作業を担当された 営業本部 マーケティング課 黒須 さおり

まず、BCPは地震決め打ちで策定したので、リスクアセスメントを短時間でやり直しました。次に、策定したBCPが形骸化しないための仕組みづくりや、誰にでも理解できるようなマニュアル、手順などを整備し、ISMSと共通する内部監査の体制、力量管理、マネジメントレビュー、文書管理、法規制管理などについては、今後の統合を見すえて、これまでのものとかけ離れないようにBCMSを構築していきました。

共通部分については資料の流用を想定していたのですが、実際の作業では、ゼロベースで取り組んだほうが容易と思われる場面もありました。ISMS導入時に依頼した別のコンサルティング会社によるフォーマットがところどころにあり、その整合性をとるのに苦労しました。全体がなかなかつかめないので各項目の内容をどうまとめていいかわからず、担当者が混乱する局面もありました。教育法や力量管理など、ISMSの運用ルールとはまた違う部分があり、そういう整合性をニュートンさんに整理していただくことでスムーズに進めることができました。

担当の声

会社の文化として根付いているISMSを阻害しないよう慎重に支援

ビーティス様への支援を開始するにあたり、私は3つの方針を打ち出しました。

・必要最小限の費用と工数での構築
・最大限の効果の獲得
・将来的なISMSとの統合を視野に入れた支援

ビーティス様は既にBCPをお持ちで、ISMSの認証も取得しマネジメントシステムに対する理解もある。万が一に備えて予備的な費用や工数も算出して…などとは思いもしませんでした。

提案までにお話しさせて頂くことは数度だけでしたが、過去の危機管理に対する取組などを伺い、上記の方針で進められる確信を得られました。

ギャップ分析の結果から、リスクアセスメントの手法、力量管理や文書管理、内部監査など、必要最低限の手を加えることになったのは本当に一部です。それもほとんどはISMSで整備済であり、すでに会社の文化として根付いている考え方です。それをなるべく阻害しないよう、慎重に確認しつつ支援させて頂きました。

私がひとつ助言すると、山崎BCP事業部長をはじめとするプロジェクトメンバーの皆様は助言の先にある意図まできちんと汲み取って頂き、プロジェクト自体はとてもスムーズに進みました。ときには逆に鋭い質問を返されてあらためて気づかされることもあり、逆に感謝する部分もたくさんありました。

ビーティス様は高野社長の強いリーダーシップのもと、BCPをはじめとする危機管理に積極的に取り組まれています。それは液状化の危険性が判明するとすぐに移転を意思決定するなどの行動からも見て取れます。この意識の高さがあれば、BCPが新たな文化として根ざしていくことは疑う余地がありません。

今後さらにBCPの文化を深められたビーティス様とまたお会いすることが今から楽しみです。

お客様情報

企業名 株式会社ビーティス
本社所在地 東京都中央区日本橋茅場町2-5-6 日本橋大江戸ビル8階
設立年 2001年4月20日
資本金 2,500万円
従業員数 17名
代表者 代表取締役社長(CEO) 高野 元氏
事業内容 BCPソリューション、セキュリティー、クラウドサービス、メンテナンス事業

(2013年6月現在)

プロジェクトメンバー

お客様

代表取締役社長

高野 元

BCP事業部部長 営業本部長

山崎 将

営業本部マーケティング課 課長

野口 義夫

マーケティング部

黒須 さおり

ニュートン・コンサルティング

プリンシパルコンサルタント

内海 良