インターネットイニシアティブ様

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社会インフラである
インターネットは 止められない

日本のインターネットサービスのパイオニアであるインターネットイニシアティブ様は、高い技術力をもとに、信頼性・品質に優れたサービスプロダクトを開発し、つねに最先端をゆくインターネット環境の提供を実現してきました。この度のBCP訓練支援サービスのご利用に際し、CRO(最高リスク責任者)三膳 孝通様、危機管理室長 松原 勝美様にお話を伺いました。

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CRO(最高リスク責任者)三膳 孝通 様


―まずは貴社の事業内容をお聞かせください。

三膳:弊社は92年に、インターネットのプロバイダーとして創業いたしました。そもそもの立ち上がりは、法人向けのインターネット接続サービスで、それが、事業拡大と時代の変遷に伴い、企業のシステム構築・運用、あるいはインターネット関連のビジネスに拡がっていきました。例えば、Webサイトの構築や運用、セキュリティなどアウトソーシングです。また近年は、高速モバイル通信用のSIMカードをはじめとした個人向けサービスを「IIJmio(アイアイジェイミオ)」というブランド名で展開し、一般のお客様にも認知されてきました。

刻々と変わる状況の中で求められる判断力と実効力を

―これまでのBCPの取組状況を教えていただけますか。

三膳:東日本大震災においては、事前に対策をしていたつもりでも、やはり現場は大きく混乱しました。非常時に、パーフェクトな行動を望むものではないですが、それでも、スピード感を持って判断し、動いていかないといけない。そのあたりをどのように実装していくのかが課題でした。そのため、2011年にBCPを見直すための3か年計画をたて、会社全体の取組として明確化し実施してきました。

その後もBCP訓練などは役員を巻き込んで、年に一度は行ってきました。被害想定を決めて、災害時の緊急判断を下す訓練です。ただ、どうしても社内の人間が仕切ってしまうと緊張感が高められず、訓練のシナリオもマンネリになりがちになります。そんな中、今年の訓練は、外部の力を借りようということになりました。

対応するリスクは幅広く、社内のリソースは限られている

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危機管理室長 松原 勝美 様

―コンサルティング会社の選定はどのように行いましたか

松原:現在の危機管理室は、以前は情報セキュリティ管理室という名称で、その名の通り弊社の情報セキュリティやISMS、Pマークなどを統括しておりました。現在も引き続き、対応範囲となっているのですが、そこにBCPも範囲に含めることとなったことで部署の名称が変更となりました。

当時、私ともう一人の担当者で、BCPに関する情報収集のため定期的に外部セミナーに参加していましたが、そこでよく登壇されていたのがニュートンさんでした。また、BCP関連のことをwebで調べている時もよくお名前をお見かけし、この分野の専門コンサルタント会社として以前から存じており、今回、外部の力を借りるとなったことから、直接コンタクトさせていただきました。

設計段階から現場を巻き込んだ実質的なシナリオづくり

―今回の取組についてご紹介いただけますか

松原:訓練を含めた昨年度の危機管理室の活動は、比較的、部署内だけで動いていました。ただ、それだとどうしても現場業務との乖離が発生してしまいます。そのため、今年度は訓練設計の段階から現場の方も巻き込んでいこうという提案をニュートンさんから頂き、ワーキンググループというかたちでシナリオ設計のミーティングに参加してもらうこととなりました。

ミーティングを重ねるうちに、技術系の部門や、営業系の部門が連携する訓練は一度もやったことがないね、という話に発展し、50~60人くらいの結構大掛かりな訓練になりました。
 

―訓練シナリオの設計にはどのようなことに気を使われましたか

松原:シナリオ設計をするにあたり、まず弊社がどのような事業体で成り立っているかをニュートンさんに徹底的に知っていただこうと考えました。外から全体を俯瞰してみてもらうために、弊社にどのくらいの拠点があり、そこはどのような機能を持っていて、何人くらいの従業員がいるのか、等々です。ご説明した内容を詳細なリストにまとめていただき、今回のシナリオ設計に大いに役立ったように思います。

三膳:弊社は、根本的にはエンジニア集団というところがあり、従業員の気質も凝り性というか生真面目なタイプが多いのですかね。はじめは一部署から1人の参加をお願いしていたのですが、3回目になるころには各部署から2、3人くらいがずらっと打合せに並んでいました。

松原:質問に対して正確な答えを求めようとすると、その担当の人でないと正確な回答はできない。じゃあその人も呼ぼうということになり増えていったんですよね。あとはエンジニアの方もBCPへの問題意識を持っていて、これに乗じて自分たちの確認したいことも試してみようという雰囲気もあり、真剣になって意見や報告をどんどん上げてきてくれました。そういう経緯もあり、各部門の実情に沿ったシナリオができたと思います。
 

想定を超えた時に、誰が何をどう判断して動くのか

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災害時を再現するため室内は消灯

―実施された訓練についてどのような感想を持たれましたか。

三膳:私は全体を見て、監督する立場だったのですが、本当に“IIJらしさ”が出た訓練だったように思います。先ほどの話に出ましたが、割と皆が冷静なんですよね。ニュートンさんから、災害時を再現するために、刻々と変わる世間一般の状況を、次々に付与されるのですが、しらけている訳ではなくて淡々とやるべきことをすすめていく。待ちの姿勢だけではなく、マニュアルに載ってないことでもある程度自分たちで判断して進められていたように思います。一番心配していた部署間の連携は、やはりまだ少し課題が残ったと感じました。ただそれも、訓練の振り返りの時間に部署間で改善に向けて話し合いができていました。

松原:私は訓練参加当事者でしたが、事前に準備をしていたものの、いざとなると、個人的には慌ててしまったところがありました。ただ、何が抜けてしまうのか、どのようなことを整備しておくべきだったのかを知るためにやったことでもあるので、それはそれでよかったと思っています。

三膳:マニュアルも大まかな計画はあるのですが、そこまで細かくブレイクダウンしていません。ブレイクダウンしていたとしても、おそらく実際の災害時には、皆がマニュアルを読み込む時間は持てないでしょう。必ず想定外のことが起きるはずで、その対応方法をいちいち聞かないと動けないというのは問題ですよね。今回良かったと思ったのは、案外確認をとらずに、どんどん現場で物事を進めていたことで、そこは頼もしく思いました。

松原:参加者のアンケート結果からも、役に立ったとの回答が得られましたので、多くの人を巻き込んで時間を費やしたかいがあったと胸をなでおろしています。

リスクを限定しないオリンピックを見据えた包括的な対策

―今後の計画を教えていただけますか。

三膳:地震を想定した取組はこれからも継続して行っていきます。自然災害が起きることによって、派生的に起きる環境の変化や経営資源の喪失による会社へのインパクトは決まってきます。例えば建物に入れません、移動できません、何かしらの機能が止まります等々---。そのインパクトに対してどうするのかということは、他の事象が起きたときにも展開できます。言い方は悪いかもしれないですが、地震というのは様々なリスクの総合デパートのようなものです。

今いちばん期限が迫っているのは、2020年のオリンピックへの対策です。オリンピックはもう開催される時期も場所も決まっています。オリンピックで想定される混雑であったり、インシデントであったりを、もう少し正確にシミュレーションしておきたいと思っています。もう本格的にやらなければいけない時期なのではないかな、と考えています。


―この度のサービスの感想を教えていただけますか。

三膳:ニュートンさんに入ってもらって良かったというのが正直な感想です。ノウハウをお持ちの人たちに、現場を仕切っていただけたことで臨場感や緊張感が生まれました。また、訓練結果レポートも、非常に分かりやすく、成果の形として良いものをいただけました。

松原:もともと経験豊富だということもあり、私どもとしてはそこにすっかり寄りかかったといった感じとなりました。なおかつ、現場寄りの人間としては、今後の展開、実務レベルのアイデアや方向性を示していただけたので本当に良かったなと思っています。


―本日はありがとうございました。

担当の声

コンサルタント  村田 亮治

トップと事務局と現場が一体となって実効力を向上

ITが関連するBCP訓練の成功の秘訣は大きく3つあります。

一つ目は、トップがBCP訓練の必要性を認識し、明確なビジョンを持って活動を後押しすることです。IIJ様においては、CRO(最高リスク責任者)の三膳様が高度なリスク認識と展望を持ち、活動を後押しされています。このことがプロジェクト成功の大きな要因の1つだと認識しています。

二つ目は、エンジニア部門だけの活動とするのではなく、組織横断的な取り組みとして推進することです。今回、事務局である危機管理室長の松原様が中心となって他部門に働きかけて下さったことで、エンジニア部門だけではく、営業部門や管理部門等が参加する大規模な訓練を実現することが出来ました。実際の発災時には、部門間連携によるスムーズな情報収集と共有が必要となります。IIJ様は、今回の訓練によって部門間連携における課題を認識し、改善に向けて話し合いを開始されました。更なる実効力向上を期待できます。

三つ目は、現場のエンジニアが中心となって被災シナリオを検討するということです。現場を一番知る自分達で考えるからこそ、シナリオが現実味のあるものになりますし、シナリオを考えること自体がBCPを考え直すきっかけにもなります。今回、IIJ様のシナリオを考案するにあたっては、25名を超えるエンジニアの皆様が、実際にシナリオ検討会議に参加し、数多くのアイデアを出して頂きました。ご協力、ありがとうございました。

今回のご支援でIIJ様を知れば知るほど、IIJ様が提供するITサービスが日本の社会インフラを支えているのだと改めて認識しました。2020年の東京オリンピック開催を見据え、更なる実効力向上のお手伝いをさせて頂きたいと考えています。ありがとうございました。

お客様情報

名称: 株式会社インターネットイニシアティブ
本社所在地: 東京都千代田区富士見2-10-2 飯田橋グラン・ブルーム
設立: 1992年12月3日
資本金: 22,970百万円
代表者: 代表取締役社長 勝 栄二郎
事業内容: インターネット接続サービス、WANサービスおよびネットワーク関連サービスの提供、ネットワーク・システムの構築・運用保守、通信機器の開発及び販売
URL: http://www.iij.ad.jp/

(2017年6月現在)

プロジェクトメンバー

お客様

CRO(最高リスク責任者)

三膳 孝通 様

危機管理室長

松原 勝美 様

危機管理室

菅野 美枝子 様

危機管理室

田中 茜 様

ニュートン・コンサルティング

代表取締役社長

副島 一也

プリンシパルコンサルタント

内海 良

コンサルタント

村田 亮治