EU AI法(EU Artificial Intelligence Act)は2025年以降、段階的に適用が始まり、2025年8月からは「汎用AIシステム」、2026年8月からは「高リスクAIシステム」に対する法的義務が適用されます。
これらの区分に該当するAIシステムには、リスク管理、透明性の確保、技術文書の整備、監査対応など、極めて具体的で実装的な要件が課されることになります。
EU AI法は「EU域内でAIシステムを提供・使用する組織」を対象としていますが、たとえ現在は適用外の組織であっても、高リスクAIに分類されるAIシステムを開発・提供・利用しているのであれば、組織として責任あるAIガバナンスを構築し、リスクを自ら管理していくことが不可欠です。GDPR(一般データ保護規則)と同じで「EU法の対象外だから関係ない」という姿勢は、もはや現実的とは言えません。
とはいえ現時点では、認証や審査の制度的な枠組みは整備されつつあるものの、実務運用の詳細、特に技術基準や認証機関の運用指針などは未確定の部分も多く、企業側の判断には不安が残るのが実情です。「今の取り組みが、将来の規制要件を満たすのか分からない」そんな不安を、多くの組織が抱えています。
私たちは、法制度の全体像と変化の方向性を見据え、“今できること”と“今すべきこと”を明確にし、組織に合わせたAIガバナンス整備を支援します。プロジェクト型で実務に伴走する支援から、アドバイザリ型での継続的な助言提供まで、貴社の体制や進捗に応じて柔軟に対応します。単なる法令対応にとどまらず、将来の競争力につながるAI戦略の一部として、貴社の取り組みをともに育てていきます。
- ※EU AI法に関する詳しい情報はこちら
- EU AI法と企業に求められる対応とは
サービスの特長
- 1. 高リスクAI該当性や対応要件を、具体的に・実務に落とせる形で整理
- EU AI法の条文やガイドラインは抽象度が高く、実際の製品・サービスがどのカテゴリに分類され、その要件を満たす必要があるのか判断が難しいのが実情です。当社は、法文と現場のギャップを埋める形で、「貴社のAIシステムは何に該当し、どこまで備えるべきか」を明確化します。
- 2. 既存のISOマネジメントシステムや他のAIガイドライン(NIST等)との整合性も意識した統合的ガバナンス設計
- EU AI法だけに特化すると、他国の規制動向や既存のマネジメントシステムとの整合性が取れず、対応が非効率になるリスクがあります。当社は、ISO/IEC 42001、ISO 9001、ISO/IEC 27001、NIST AI RMF、日本のAIガイドラインなどと整合性を確保した形で枠組みを設計し、必要な助言を提供します。これにより、貴社が一貫性と将来性を兼ね備えたAIガバナンス体制を構築できるよう支援します。
- 3. 「翻訳・解釈」だけでなく、「社内実装・文書整備」まで支援可能
- EU AI法が求める技術文書や社内手順の整備には、法務・技術・運用の橋渡しスキルが不可欠です。当社は、形式的なテンプレートを一律に当てはめるのではなく、貴社の既存のルール・運用文化を踏まえた“意味のある文書設計”を重視。形骸化しない、実務に活きる文書整備を支援します。
- 4. AI・組織設計に精通した専門人材が、実務にフィットした支援を提供
- EU AI法への対応には、条文の解釈に加えて、組織への実装・運用まで見据えた知見が求められます。当社は、ERM、サイバーセキュリティ、AI技術、組織設計に精通したコンサルタントがチームで支援し、曖昧な論点も整理しながら、貴社と一体となって実装まで伴走します。
- 5. 英語・日本語の両言語で対応可能。海外拠点・グローバルチームとの連携も支援
- 技術文書やガバナンス方針の多くは英語での作成・説明が求められます。当社は、英語でのレビュー・文書整備・会議ファシリテーションにも対応しており、EU拠点・海外ステークホルダーとの連携も安心してお任せいただけます。
このようなお客様におすすめします
EU AI法への対応が本格化する中で、判断や整備の進め方に不安を抱える企業は少なくありません。本サービスは、体制整備の初期段階から、自走したい企業を外から支える立場として、特に以下のような課題や悩みを持つお客様を支援します。
- EU市場でAI製品・サービスを展開しており、対応の方向性に悩んでいる企業
例:製造業・医療機器メーカー・金融機関など
- ISO/IEC 42001やNIST RMFなどの導入を検討しておりEU AI法対応とも統一的に整備したい企業
- 自社のAIシステムが「高リスクAI」に該当するか判断がつかず、文書整備や体制構築にも不安がある企業
- AIガバナンス体制・プロセスを自社で整備したいが、“専門的な監修・伴走支援”を求めている企業
- 高リスクAIかどうかはまだ分からないが、今後に備えて何から始めるべきかを相談したい企業
支援範囲とステップ
1. 初期診断・該当性判断
- EU AI法における「高リスクAI」該当性の有無を整理
- 現行のAI開発・提供・利用体制と要求事項のギャップを把握
- 必要に応じてステークホルダーインタビューや業務フロー確認も実施
2. ガバナンス方針・体制の設計支援
- 貴社の既存体制(ISMS/QMS/AI倫理など)と整合性をとったAIガバナンスの枠組み設計
- ガイドライン・社内ポリシーのドラフト作成支援
- 部門横断的な運用体制・責任分担の整理
3. 技術文書・運用ドキュメント整備支援
- Annex IV(技術文書の整備)対応を意識した技術文書・プロセス文書の構造設計
- 貴社の実態に合った「意味のある文書化」を支援
- リスク評価・モニタリング・改善サイクルなどの仕組みを整備
4. 教育・運用定着支援
- 社内関係者向け勉強会やワークショップの企画・実施
- 責任者や実務者が自走できるように、用語・手順・判断基準の理解促進
- 社内ルールやシステムへの統合的実装支援(ISMSや開発フローとの接続など)
5. 継続的なアドバイザリ・アップデート対応
- ガイドライン更新や技術要件の変化をモニタリングし、定期的に助言
- スポットレビューや定例チェックインで運用状況を随時支援
- 将来的な第三者監査や対外説明に備えたレビュー・模擬対応も可能
サービス概要
EU AI法(高リスクAI)対応支援サービス
| 概要 |
EU AI法への準拠を見据えた、高リスクAI対応の実務支援およびAIガバナンス体制の構築支援 |
| 期間 |
3ヶ月~8ヶ月(段階導入も可能) |
| 価格 |
応相談 |
| その他 |
提供形態は、プロジェクト型/アドバイザリ型(定期相談+文書レビュー等)がございます。言語は日本語・英語に対応(社内外ドキュメントレビューも可能)。日本本社・海外子会社いずれでも支援可能です。 |