事業継続(BCP/BCMS)
共同印刷 様

共同印刷 様

災害図上演習で見えてきた、セキュリティも考慮した初動対応の課題

訓練・演習 製造 100人~1,000人
共同印刷 様

プロジェクトメンバー

お客様 ビジネスメディア事業部 プロジェクトメンバー  川島ソリューションセンター センター長 田添 勇二 氏
品質保証部品質管理課 担当課長 安田 伊佐武 氏
営業企画部 部長 大橋 輝臣 氏
営業企画部事業戦略課 課長代理 田口 裕也 氏
ニュートン・コンサルティング 代表取締役社長 副島 一也

お客様の会社概要

共同印刷株式会社は2013年、グループ全体のBCP基本方針を策定するとともにビジネスメディア事業部においてBCMSを策定し、ISO22301を取得しました(この取組についてはコチラをご覧ください)。今回、その取組の実効性をさらに向上させるために実施した演習について、実施の対象となった川島ソリューションセンターの田添勇二センター長、品質保証部品質管理課の安田伊佐武担当課長、ビジネスメディア事業部営業企画部の大橋輝臣部長、事務局として携わられた同部事業戦略課の田口裕也課長代理にお話を伺いました。

個人情報を扱うデータプリントの専用工場

―今回訓練を行った川島ソリューションセンターの業務について教えてください。

川島ソリューションセンター センター長 田添 勇二 氏
川島ソリューションセンター
センター長 田添 勇二 氏

田添:2001年に竣工した川島ソリューションセンター(以下川島SC)は、当社ビジネスメディア事業部の事業である、情報を印字するデータプリント分野の専用工場です。もともとは鶴ヶ島工場で行っていた業務ですが、個人情報をより厳重に管理するために専用の施設が必要ということになり、この川島SCが建てられることになりました。業務として行っているのは、お客様から預かった個人情報をデータプリントし、封書や葉書等の最終納品物を郵便番号ごとに区分けをして郵便局に局出しするというものです。製造の直接部門は印刷・印字・封入封緘の3部門。直接部門以外では、お預かりしたデータの印字プログラムを開発する部門や、生産管理部門、製造技術部門といった部門があり、総勢で200名以上のスタッフが働いています。現場のオペレーターの8割ぐらいは、自動車通勤できる近隣に住んでいます。

―日々の業務を遂行するにあたって、震災等に対するどのような危機感を感じていらっしゃるのでしょうか。

大橋:昨今、アウトソーシング化の波が進むことによって、お客様のルーチン業務を私たちが引き受けることが多くなっています。私たちが責任をもってその仕事を引き受けなければなりません。東日本大震災では幸い大きな被害はなかったものの、以前からBCPの策定を宣言していましたし、お客様から災害時対応の問い合わせが増えてきたこともあって、本格的に対策を講じる必要があると感じました。

大橋:付近の状況としては沿線である東武東上線が運休しましたが、自動車通勤の者が多かったので、従業員が足りなくなることはありませんでした。しかし計画停電が実施されたために、設備は復旧しているにもかかわらずキャパシティ通りの生産を行えないという事態に陥りました。お客様からは非常に多くの問い合わせがあり、週明けに営業のスタッフがこちらに入り、本社との調整役として生産調整を実施しました。こうした経験から、初動の体制では、本社との窓口となり調整役として動くスタッフを置くことを文書化しました。

安田:東日本大震災が起こったとき、 (川島SCの)4階にいました。この建物は耐震構造とはいえ、かなりの揺れを感じました。大きな被害はなく、機械が多少ずれることはありましたが、発生が金曜日でしたので、土日でほぼ復旧することができました。

初めて行った災害図上演習(DIG)

―今回、災害図上演習(Disaster Imagination Game)を実施してみて、どのような感想をお持ちですか。

営業企画部 事業戦略課 課長代理 田口 裕也 氏
営業企画部 事業戦略課
課長代理 田口 裕也 氏

田口:今回、BCMS構築から支援していただいたニュートン・コンサルティングさんに2年目の訓練をどのように行えばいいのか、次年度以降にBCMS事務局だけで訓練をやるのに簡単で効果的な訓練はないかと相談しました。担当コンサルタントの林さんからラインナップをご提示いただき、改めて基礎固めとして参加者が災害時の役割を認識できる訓練、そして、ファシリテーター未経験のBCMS事務局でも実行可能なDIGを実施することになりました。

訓練の様子

大橋:林さんは当社の業務と従業員の意識をよく理解していただいているので、ご提案にまったく違和感はありませんでした。

田添:DIGはゲーム感覚で取り組むことができ、参加者の興味を惹きつけることができる点が良いと思いました。危ないところを自ら導き出せる点がよかったです。

大橋:ここは通れなくなるだろうとか、ここには物を高く積んでいるという指摘が出て、訓練後に職場に戻った参加者が改めて積んでいる物を見上げたりしましたね。いろんな危険箇所をどう改善すべきなのか、想像をめぐらせたんじゃないかと思います。施設外については、ここへ来る時に通る小さな川のことを私が指摘したら、みんなが「エッ」という顔になりました。そんな小さな流れでも氾濫して道が通れなくなったら入れなくなってしまう。普段からそういう意識をもつようになって、通勤や移動時にポイントをチェックするようになりました。

田添:周辺地図を見て、改めて、川島SCはこんな場所にあるのかと気づかされる面もありました。

田口:渋滞箇所等も議論になっていましたので、有事の際の出勤や帰宅についても参考になったと思います。

セキュリティを踏まえた事業継続策の検討へ

―今後に向けてどのような課題をお持ちでしょうか。

田添:川島SCでは個人情報を取り扱う業務をしていますから、平時は堅固なセキュリティに守られていますが、有事の際にそれをどこまで保持するのかということが大きな課題です。単に機械が動くだけではなく、セキュリティが復旧していなければ事業は再開できません。

―今後の訓練・演習についてはどういうものを予定していますか。

大橋:例えばカードキー等の施錠システムが機能しなくなった場合は、警備員を増強して当面の安全を守ることになるのだと思いますが、そういった人員の確保手順までは策定していません。もちろん有事の際には人命優先ですから避難しますが、その際に個人情報を投げ出したままでいいのか、とりあえずどのような状態にしてから避難すればいいのか、そうしたルールも整備していく必要があります。

大橋:継続するうえで、いかにマンネリ化させないかということが重要な課題だと思っています。実働訓練も継続して実施する中で、何回かごとにDIGを取り入れてみるなど、別な手法も積極的に試していきたいと思います。例えばAEDは使い方を知らない人がほとんどですから、実際に救護活動が必要な場面に遭遇したらきっとまごついてしまう。そういう体験をさせる訓練も必要でしょう。

また、今回の訓練は部課長が参加対象でした。次の機会には、メニューだけではなく参加対象も変えて行いたいと思います。

田添:ここには部長・課長・係長・職長という4段階の管理監督職がいます。先ほどもお話が出た夜間の発災なども想定し、対象を広げて訓練することが必要だと思います。

安田:階層別にいろんな職階のスタッフを訓練することによって、また違う課題が出てくると思います。それをまた深堀りしていければよいと思います。

お客様情報 (2014年8月現在)

名称 共同印刷株式会社
所在地 東京都文京区小石川4-14-12
設立 1925年12月(創業:1897年)
事業内容 出版・商業印刷、データプリントサービス、各種カード、高機能材料など
利用サービス BCP訓練・演習支援サービス

担当の声

現場を運営の主役に据えた取組みで、BCMSの浸透スピードを上げる

共同印刷様は昨年ISO22301を取得され、初年度はBCMS事務局がリーダーシップを発揮し、文書化にこだわり過ぎないBCMSの仕組み作りに主軸をおいた活動をされました。2年目となる今年は、BCMSを浸透させることを主軸にし、現場が役割を認識し、自ら活動する仕組み作りをテーマにしました。

すなわち、現場が、「災害時においては部下と現場を守って自部門の業務を継続し、平時においては予防策や部下への教育・訓練を自ら実施する」という役割を率先して認識・活動することで、BCMSの浸透スピードを上げることです。

上記を実現するために、今回のご支援では、参加者自らが決めた内容・期日で活動計画を決めていただくとともに、以下のような学びが得られるように意識しました。

自分の役割・責任を明確にする
現状の対応力とあるべき姿のギャップを認識する
発見された課題をいつまでに、どのよう対応するか自ら決める
インタビューの中でも触れられているように、災害図上演習(DIG)は、自らの被災イメージを認識しやすい訓練手法です。同じ現場を知る仲間同士で「その対応ではダメだろう」「こうした方がいいのでは?」と意見を出し合うことで、あるべき姿とギャップを認識できます。

今回の訓練の成果のひとつに、現場が主体的に活動することによってBCMS事務局の作業負担が軽減することがあげられます。特に、現場の教育・訓練・対策を現場が責任を持って行う仕組みができたことは大きいと考えます。BCMS事務局が現場の活動の進捗管理と相談窓口となり、現場は自らの役割達成の活動を日々行う。そして年に数回の社内訓練によって各部門が連携を確認する。このように継続して教育・訓練を実施し、改善を続けることが、BCMS活動の本来の姿だと考えます。

作業負荷が高かったり、現場の協力が得られず困っていたり、教育・訓練で何をしていいかわからないといった悩みをおもちのBCP事務局にとって、今回の共同印刷様の “現場に主役になってもらう”事例が大いに参考になるのではないでしょうか。

共同印刷様のBCMS活動のさらなる発展を今後も大変楽しみにしております。

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