CSPM

掲載:2023年09月21日

用語集

「CSPM」とは、クラウド環境のセキュリティに関連する設定や構成を継続的に監視し、管理・最適化するためのソリューションです。近年の急速なクラウド化により、ユーザーの設定ミスや管理不十分に起因するクラウド環境からの情報流出やサイバー攻撃などが増えています。CSPMの導入は、設定ミスなどを検知してインシデントを未然に防ぐ効果的な対策の一つです。

         

CSPMとは

「CSPM」は「Cloud Security Posture Management」の略称で、一般に「クラウドセキュリティ態勢管理」と訳されます。

近年、デジタルトランスフォーメーションの進展に伴い、多くの企業や組織が、クラウドセキュリティを強化しながら、IaaSやPaaSなどのクラウドサービスへのシステム移行を進めています。

AWSやAzure、GCPをはじめとした多くのクラウドプラットフォームは、高度なセキュリティ機能を提供していますが、これらの機能を最大限に活用するには、ユーザーによる正確な設定が不可欠です。しかし、クラウド技術の進化に伴って機能は複雑になり、日々更新されていく仕様に合わせてすべてを完璧に設定することは一層困難になっています。

実際に、クラウド環境における情報漏洩や不正アクセスの多くは、設定ミスなどの人的ミスが原因であるという調査結果もあります。たとえば、2022年に大手旅行代理店で1万件を超える顧客情報の流出事件が起きました。この事件の原因は、クラウドサービスへのアクセス権限の設定ミスによるものでした。このほかにも似たような多数のインシデント事例が報告されており、クラウドセキュリティの重要性がさらに高まっています。

CSPMはこうした人的ミスを最小限に抑えるためのツールとして、適切な設定監視や警告機能などを提供してくれます。

CSPMの主な機能

クラウド環境のセキュリティを管理するCSPMには、多くの高度な機能が備わっています。CSPMの代表的な機能とその役割は以下のとおりです。

機能 役割
設定監視 クラウド環境のセキュリティ設定を継続的に監視し、不適切な設定や誤設定を検出
コンプライアンス管理 クラウド環境が法規制や業界標準に準拠しているかをチェックし、その結果を報告
自動修正 設定ミスやリスクを自動的に修正し、ユーザー介入を最小限にしてセキュリティを強化
マルチクラウド管理 AWS、Azure、GCPなど複数のクラウドプラットフォームを一元的に監視・管理
ダッシュボード クラウドのセキュリティ状況を一目で把握できる視覚的なダッシュボードを提供

こうした基本的な機能に加えて、製品によって特色ある機能が提供されています。CSPMの効果的な活用により、クラウド環境のセキュリティを一段と高めることが期待できるでしょう。

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