ISSB/SSBJ基準の導入により、サステナビリティは「CSR活動」から「企業価値を左右する経営マター」へと完全に移行しました。サステナビリティの要素をERM(全社的リスク管理)に統合することは、単なる管理プロセスの連携ではなく「リスク」と「機会」を一体的に捉え、経営資源を最適配分するための仕組みづくりです。
しかし、多くの企業では、サステナビリティ部門が掲げる重要課題(マテリアリティ)と、リスク管理部門が運用するERMの枠組みが分断され、実効性のある打ち手に繋がっていないのが実情です。
当社は、ERM構築における豊富な実績と知見をもとに、この分断を解消し、サステナビリティとERMを真に統合した戦略的経営管理基盤の構築を支援します。
このようなお客様におすすめします
- サステナビリティ部門が特定したマテリアリティが、全社的なリスクとして認識・評価されていない
- 気候変動などの長期的なリスクを、既存のERMの評価軸(発生頻度×影響度)ではうまく評価できず形骸化している
- サステナビリティの情報とERMの情報が別々の会議体で、異なるフォーマットで報告されるため、経営層が全体像を把握できていない
- ERMで用いるリスクマップやリスク台帳に、サステナビリティ関連のリスクが適切に組み込まれていない
- リスクアペタイト(事業活動で許容するリスクの量や種類)に、気候変動や人権などの非財務リスクの観点が考慮されていない
サービスの特長
- 1. ERMを起点とした現実的な統合アプローチ
- 貴社が既に持つERMの仕組みや規程、ツールを「土台」として活用します。既存の資産を活かしながら、サステナビリティの要素を段階的に組み込むことで、現場の混乱を最小限に抑え、現実的かつスムーズな統合を実現します。
- 2. 橋渡し役としての役割と組織定着へのコミットメント
- サステナビリティ(定性的・長期的視点)とERM(定量的・中短期的視点)の「考え方」や「文化」の違いをつなぐ橋渡し役として機能します。両部門の協働を促すワークショップや研修を通じて、新しいプロセスが組織に根付くまでハンズオンで支援します。
- 3. 「守り」から「攻め(機会創出)」への展開支援
- 統合の目的はリスク管理の強化にとどまりません。統合されたフレームワークを用いて、気候変動適応ビジネスやサーキュラーエコノミー(循環経済)などの「サステナビリティ機会」を特定・評価し、事業戦略や中期経営計画に反映させる「攻め」の活用までを見据えた支援を提供します。
成果物
- サステナビリティ・ERM統合アセスメントレポート
- 統合ビジョン・ロードマップ
- 統合リスクユニバース(リスク分類体系)
- サステナビリティリスク評価基準・プロセス定義書
- 【パイロット版】統合リスク台帳・経営報告ダッシュボード
- 改訂版ERM関連規程・業務マニュアル
支援範囲とステップ(例)
下図は一般的な流れです。貴社の成熟度や課題認識に応じて、最適なステップとゴールを設定し、プロジェクトを推進します。
Phase 1:現状診断と統合ビジョンの策定
- アセスメント:サステナビリティ推進体制とERM体制の双方を評価し、連携における課題やギャップを客観的に可視化します
- ビジョン策定:関係者へのインタビューやワークショップを通じ、貴社における「サステナビリティ・ERM統合のあるべき姿」と、そこに至るまでのマイルストーンを共有・合意します
Phase 2:統合フレームワーク・プロセスの設計
- リスクユニバースの再定義:既存のリスク分類を見直し、気候変動、生物多様性、人権などのサステナビリティリスクと機会を体系的に整理します
- 評価基準の共通化:サステナビリティリスクの特性(長期性、不確実性等)を考慮した共通の評価基準(インパクト評価など)を設計します
- 統合プロセスの設計:リスクの特定、評価、対応、モニタリング、報告という一連のERMプロセスにサステナビリティ課題を組み込むための、具体的な業務フローと役割分担を定義します
Phase 3:パイロット導入と全社展開
- パイロット実施:気候関連の移行リスクなど、特定のテーマを選定し、設計した統合プロセスを試験的に運用。実際の運用上の課題を抽出し、プロセスを改善します
- ツール・様式の整備:統合されたリスク情報を管理するためのリスク台帳や、経営報告用のダッシュボードなどの様式を整備します
- 全社展開と定着化:全社に展開するための規程改訂や社内研修を実施し、新たなマネジメントサイクルの定着を支援します
サービス概要
サステナビリティ・ERM統合支援サービス
| 概要 |
社内に存在するサステナビリティ推進体制とERM(全社的リスクマネジメント)体制の分断(サイロ)を解消し、両者を実効性のある形で統合するコンサルティングサービスです |
| 対象企業 |
- サステナビリティ部門とリスク管理部門が個別に活動しており、連携に課題を感じている企業
- TCFD/TNFDやSSBJ/ISSB対応を機に、サステナビリティリスクをERMに本格的に組み込みたい企業
- マテリアリティ(重要課題)と全社的リスクの連動性を高め、経営の意思決定に活かしたい企業
- サステナビリティを「守り」のリスク管理だけでなく、「攻め」の事業機会創出に繋げたい企業
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| 期間 |
ご支援範囲と貴社の組織規模や課題の複雑性により変動しますが、標準的な期間は以下の通りです。ご要望に応じて柔軟に設定可能です。- 標準プロジェクト(Phase 1~3の包括支援):約6ヶ月~12ヶ月
- 診断プロジェクト(Phase 1のみ):約2ヶ月~3ヶ月
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| 価格 |
応相談 |
| 成果物 |
- サステナビリティ・ERM統合アセスメントレポート
- 統合ビジョン・ロードマップ
- 統合リスクユニバース(リスク分類体系)
- サステナビリティリスク評価基準・プロセス定義書
- 【パイロット版】統合リスク台帳・経営報告ダッシュボード
- 改訂版ERM関連規程・業務マニュアル
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