全社的リスク管理(ERM)

人権リスク対応サービス

構築・策定 訓練・演習

近年、企業は従来のような企業の社会的責任(CSR)の範疇を超え、人権問題とより深く向き合う必要が出てきています。これまでのように自社事業の範囲だけでなくサプライチェーン全体や将来世代の人権まで、幅広く目を向けることが求められています。また、事業における強制労働や児童労働など直接的な人権侵害に限らず、昨今では人権侵害が横行する紛争地域においても、企業の責任ある行動が求められます。

このように、企業が人権侵害に直接的に加担することはもちろん、以下の表のように、これまで以上に広い領域において、人権侵害をするステークホルダーを黙認したり、間接的に助長したりすることに対しても厳しい目が向けられています。

企業が人権問題で考慮すべきステークホルダーの広がり
  考慮すべきステークホルダー(例) 企業に求められる変化の例
1 従業員・労働者
  • 正規従業員
  • 非正規従業員
  • ギグワーカーなど
正規従業員の保護だけでなく、非正規従業員や個人事業主などについても、不公正な労働や危険な労働環境を是正し、適正な権利保護をすることが求められる
2 地域社会(コミュニティ)
  • 地域住民
  • 先住民
事業の所在する地域において、地域住民の権利はもちろん、先住民などの文化的権利などにも配慮した事業展開、土地の開発などを行うため、丁寧なステークホルダーエンゲージメントが求められる
3 サプライヤ
  • 労働者
  • サプライヤの周辺地域社会
サプライヤの労働者だけではなく、サプライヤの事業活動を通した周辺地域への影響にも配慮が求められる
4 顧客(商品・サービス利用者)
  • 直接の顧客、及びサプライチェーン上の潜在的顧客
  • 提供した商品・サービスにより影響を受ける人
直接の顧客だけでなく、その顧客が自社の意図によらず商品・サービスを利用して起こしてしまう人権侵害への配慮が求められる
5 将来世代 今、目の前の住民に対して必ずしも問題がなくても、中長期的に将来世代に影響がでてしまう環境・生物多様性の破壊に配慮し、適切に対処することが求められる

さらに世界各地では人権デュー・ディリジェンスの法制化が進み、日本でもその動きが活発化しています。各省庁や業界団体がガイドラインを制定、企業にはその遵守が求められています。しかしながら、実際のビジネスの現場での対応は法的要件への対応に留まり、形式的な活動に終始することが多いのが現状です。人権という重要かつ複雑なテーマに対し、本質的な取り組みが求められているものの、それを具体的な行動に落とし込むのは容易ではありません。また、既存のリスクマネジメントシステムとの整合性も課題となっています。

このサービスでは、人権リスクの評価、人権方針の策定、デュー・ディリジェンスの実施、そして苦情処理メカニズムの設計と実装を通じて、企業が人権と相対し、そのリスクを適切に管理するためのサポートを行います。この取り組みを通じて、企業は形式的な活動に終わらず、本質的な人権問題の解決に向けたステップを踏み出すことができます。

このようなお客様におすすめします

  • 監査役や社外取締役から人権問題に対する改善を指摘されている
  • 買収先の企業やサプライチェーン上で、自社が間接的に人権侵害に関与している可能性がある
  • 人権リスクについて一定の対応はしてきたが、今後どこまで対応すべきか、どのように対応すべきか悩んでいる
  • 国際的なビジネスを展開しているが様々な国や地域での法律、社会習慣、地政学リスクに対する理解が不十分で、そのための人権リスク管理が必要だと感じている
  • 社会的に持続可能なビジネスを志向し、CSRを強化しようとしており、特にESG(環境、社会、ガバナンス)投資を重視するステークホルダーに対する説明責任を果たしたい

サービスの特長 

1. 評価制度や情報開示を考慮した仕組み
GRIガイドライン、企業の人権尊重ベンチマーク(CHRB:Corporate Human Rights Benchmark)、ISSBのサステナビリティ開示基準(ISSB:International Sustainability Standards Board)、MSCI ESG格付け等のサステナビリティ評価制度・情報開示の枠組みを考慮した仕組み設計・実行を支援します。仕組み自体の実効性を担保し、投資家からも評価される活動づくりの支援を行います。
2. サプライチェーン全体を戦略的に見える化
幅広いサプライチェーン/バリューチェーンの中でも、貴社の状態に合わせて、リスクベースで優先的に取り組むべき範囲を決めて取り組みます。
3. 実行支援で目指す姿の達成へ
目標やルールを整備するだけでなく、確実な運用の仕組みを整備します。整備初期段階から、誰をどのように巻き込むべきかを決定し、ルール整備後のモニタリングのあり方を検討することで、実際の運用が確実に履行される体制を構築します。
4. 既存のリスクマネジメント/サステナビリティ関連活動との連動
既存のERM、内部統制、労働安全管理、サステナビリティ活動等は新たに制定する人権リスク対応と重複したり、逆に抜け漏れが発生したりすることがあります。ニュートンでは既存のリスクマネジメント活動の全体像を踏まえ、どの活動で何を拾うべきかを吟味し、体制やプロセスの設計について助言・提案します。
5. 事務局の自走化までを伴走支援
整備初期段階はコンサルタントが力強く牽引しますが、最終的にはお客様が自走できるように、スキルトランスファーを重視しています。初回はコンサルタントが見本を示しますが、2回目以降は事務局主導で進めていただくことで、お客様社内でのノウハウ蓄積を促します。さらには、社内のより多くの関係者を巻き込むために、適宜必要な勉強会を実施したり、実践においてはフォローするなど、自走化を徹底的に支援します。
6. 万全なグローバル対応
日本語と同品質で、英語による会議、ファシリテーションや助言などを提供します。
7. 柔軟な支援(オーダーメイド)
ルール整備や体制構築にあたってどのような方法が適しているかは、お客様の組織風土や意思決定プロセスのあり方などに強く依存します。例えば子会社が既に自分たちで熟慮した独自ルールを運用していれば、頭ごなしに本部の考えやアプローチを押し付けてもうまくいきません。展開先にも受け入れやすい方法は何か、お客様の組織風土や意思決定プロセスや慣習等をしっかりと理解し、最適な方法を提案します。

成果物

【計画】
  • 人権リスク対応ロードマップ
  • サプライヤ・子会社への活動展開ロードマップ
【規程・マニュアル】
  • 人権方針
  • 社内規程
  • サプライヤ・子会社の管理規定
  • サプライヤ向けの行動規範(コードオブコンダクト)
  • 人権リスク対応の実務マニュアル
【その他ツール】
  • 人権リスクアセスメント・対応用ツール
  • サプライヤ・子会社のセルフアセスメントツール
  • トップインタビュー、ステークホルダー・ダイアログ等の結果議事録
  • 人権リスク対応者・一般社員向け教育資料
  • リスク・人権カルチャー評価ツール

作業ステップ(例)

作業ステップ図

サービス概要

人権リスク対応サービス

概要 人権リスクの評価、方針策定、人権デュー・ディリジェンスの実施、そして苦情処理メカニズムの設計と実装を通じて、企業が人権と相対し、そのリスクを適切に管理するためのサポート
対象企業 社会的に持続可能なビジネスを志向される、すべてのお客様
期間 3ヶ月~
価格 応相談
成果物
  • 人権リスク対応ロードマップ
  • 人権方針
  • サプライヤ向けの行動規範(コードオブコンダクト)
  • 人権リスクアセスメント・対応用ツール
  • サプライヤ・子会社のセルフアセスメントツール など

Case Study お客様事例

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