ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン様

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ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン様は、世界で最も国際的なたばこ企業であるブリティッシュ・アメリカン・タバコのグループ会社で、ケントやラッキーストライクを始めとした50種類以上の紙巻きたばこを輸入販売しています。グローバル企業の視点から様々な危機管理対策に継続的に取り組まれています。

コンサルティングを使用するまでの経緯と自社の危機管理プランについて、執行役員副社長 佐藤一秀氏とストラテジーアンドプログラムマネジャー 中野修氏にお話をお伺いしました。

 

グローバル企業の強みを活かした危機管理を実施

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執行役員副社長 佐藤 一秀 氏

-貴社の危機管理の取り組みについて教えてください。


 

佐藤氏:ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・グループの危機管理はロンドンにある本社が主導し、世界180ヶ国のグループ会社がクライシスマネジメントに取り組んでいます。

日本ではセキュリティ担当である私と中野が中心となり危機管理プランの開発、導入と運用を推進しています。危機管理プランは10を超える個別プランから成り、個別プランは各部門が有事において担当業務を継続するための計画を策定、運用しています。個別プランとしては、プロダクトリコール、ソーシング・プラン、自然災害対策などがあり、一貫している点は、有事の際に、社員の安全を確保し、製品を滞りなくお客様にお届けできる安定したサプライチェーンの早期回復と会社資産の保全です。

-今回コンサルティング会社を利用した理由を教えてください。

佐藤氏:グループではロンドンの本社にかなり多くのノウハウや優れたプロセスが蓄積されています。本社が積極的に取り組んでいるだけでなく、180ヶ国のグループ会社からの知見が集まり共有されているので、日本でもそれを活用した計画を立てています。

しかしながら、各国に固有の事情や環境があり、また経験知は国によって異なります。十分なプランができていても、実践的であるかどうかを検証し、確かな計画にするために、外部の専門家のお力を借りたいと考えました。

中野氏:2011年1月、地震対策の演習をおこなうためにニュートン社にコンサルティングを依頼しました。しかしながら、実際にはコンサルティングを受けて演習する前に東日本大震災が起きて頓挫してしまい、震災時には既存のプランでは適切なアクションを起こすことができませんでした。そこで全体的にプランを見直し、本社からの要求に適宜対応できるように、アドバイザリ契約の締結をお願いした次第です。

BCPの上位文書としてのCMPの策定

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ストラテジーアンドプログラム マネジャー 中野 修 氏

-個別の取り組みの内容を教えてください。

佐藤氏:震災以降はグローバル・レベルでクライシスマネジメント整備に向けた活動がより緊迫度が増し、様々な要請が上がっています。ニュートン社にはその都度アドバイスをいただき、また実作業を依頼しています。

中野氏:震災後はまず、BCP(ビジネス・コンティンジェンシー・プラン)の上位文書としてのCMP(クライシス・マネジメント・プラン)の策定に取り組みました。前述のとおり当社には各部門が管理しているプランがあり、自然災害についても主に地震を想定したBCPを既に策定していました。課題は、本社の求めているCMPと既存BCPの整合性、海外と日本のBCPの考え方の違いなどをすり合わせることでした。そこで、CMPを策定すると同時に既存BCPの見直しもおこない、震災の際に課題だと感じた「実行可能な計画」を実現しました。

その後、CCP(クライシス・コミュニケーション・プラン)の策定や、放射能被害を想定リスクとしたBCPの策定など、多岐に亘る活動をおこなっています。

フレームワークやテンプレートは本社から送られてくるのですが、各国の環境を勘案したプランを作る方針などは各国のグループ会社に委ねられているので、専門的な知識が求められることもありますし、作成する文書のボリュームも大きいので、それなりに負荷の高いプロジェクトです。

また、こうしたプロジェクトベースの活動と並行して、震災以降、訓練に重きをおいたリスク対策活動に力を入れています。CMT(クライシス・マネジメント・チーム)メンバーを中心として、事業復旧までの活動を対象とする机上訓練を年に1回行うほか、社員の安否確認、避難訓練や帰宅徒歩訓練など、社員の実働訓練を毎月1回、全国どこかの拠点でおこなっています。

佐藤氏:震災からは多くの学びがありました。自社のプランをどうやったら生きた実践的なものにできるか、また社員の危機感をどう常に維持できるかなど、この学びを活かした取り組みを継続していきたいと考えています。有事に備え、社員に対しては衛星電話、バックアップPC、ソーラーチャージャー、避難手順を示したポケットカードを配るなど物理的な側面からの支援をしているほか、日々の訓練を通して、いざという時に素早く行動できるような体制つくりを目指しています。

常に最新の被害想定に対応

-苦労されたポイントや気づきはありますか。

中野氏:これは当社がコンサルタントのお知恵をお借りしたかった理由に直結するのですが、とにかく想定をどこに置くか、どのような範囲を対象とするのかを決めるのに大変に苦労しています。また、政府が公表している被害想定などを元に文書を策定しても、すぐに改定された想定が発表されたり、新たなレギュレーション(帰宅者の対応など)が出たりするので、そのたびにプランの再検討をするのは大変な作業です。一方で、常に最新の情報を入手していなければ陳腐化してしまうという側面もあり、専門家ではない私たちには難しい作業だと感じています。

佐藤氏:また、コストのトレードオフも悩みどころです。どれだけの費用をかけてどこまで準備するかを考えなくてはならないという側面はあるのですが、一方で通常の業務内ではあまり意識することのない、「当社にとって何がクリティカルなのか」ということを見つめ直す良い機会でもあります。

専門性、スピードとインテグリティ

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-当社のコンサルティングサービスに対する感想をお願いします。

 

佐藤氏:当社は危機管理業務を2名で担当しているのですが、この分野の専門家ではありませんし、通常業務もあります。本社からプロジェクトベースで要請のある事項に対してタイムリーに対応するためにニュートン社に尽力いただいています。ニュートン社は、専門性が高く、スピードとインテグリティがあると評価しています。

まず、計画の裏付けのための背景調査や自社ではなかなか入手できない情報を共有していただき、専門的な見地からのご協力をいただけることはエクスパートならではだと思います。ディテールに至るまでお調べいただいた上でご提案いただけるので、信頼性が高く、当社もよりよく理解できます。

各プロジェクトにおいては、大量な文書を作成するために専門性の高い人的リソースが必要となりますが、常に迅速で正確にご対応いただけるだけでなく、英語での文書作成も問題なく大変助かっております。

トータルなクライシスマネジメントへ

-今後の予定を教えてください。

佐藤氏:今後は、日本で導入しました危機管理プログラムがブリティッシュ・アメリカン・タバコ・グループの中でベスト・プラクティスになるように更に内容を改善して行きたいと考えています。日本は地震も多いですし、他国に比べお客様の製品ならびに供給体制への期待も高い水準にあります。こうした環境やニーズに対応した当社の知見ならびに危機管理プランはグローバルの中でも活用できると考えています。

また、今までは個別事象への対応としてのクライシスマネジメントという側面が強かったのですが、今後はもっとプラン間の連携を高め、包括的なクライシスマネジメントをおこなっていきたいと考えています。

-今日は貴重なお話をありがとうございました。

担当の声

グローバル規模の危機管理スキームに準拠したBCP策定をご支援

折しもロンドン本社ではグローバル規模での危機管理の見直しを進めている真っ最中で、日本は災害大国ということもあり、多くの計画を短期間で、しかも英語で策定することが求められました。全体の危機管理を定めたCrisis Management Planの策定に始まり、自然災害、パンデミック、放射能、IT障害、サプライチェーンやプロダクトリコールといったBCP群。とてもチャレンジングな内容であり、私にとっても非常に学びの多い経験となりました。

なかでも特に関心したのが、BAT様の全世界を統治するリスクマネジメントスキームです。BAT様のスキームは世界規模での全体最適を目指した明確な基準のもと、各地域で実施する危機管理(ひいてはBCP)の対応優先順位が理路整然と整備されていました。リスクマネジメントに限らず、グローバルでの全体最適を目指す姿は、BAT様の企業文化そのものだと感じましたし、そのような組織の支援をでき、本当に良い経験となりました。

今回の経験を糧としつつ、これからも引き続き気を引き締めて支援を行いたいと思っています。

お客様情報

商号 ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン合同会社
本社所在地 東京都港区愛宕2-5-1 愛宕MORIタワー21階
設立 2001年8月
資本金 50百万円
従業員数 約1000名
代表者 代表取締役社長  フレデリコ・モンテイロ
事業内容 輸入たばこ製品の販売およびマーケティング

(2013年1月現在)

プロジェクトメンバー

お客様

執行役員副社長

佐藤 一秀 氏

ストラテジーアンドプログラム マネジャー

中野 修 氏

ニュートン・コンサルティング

代表取締役社長

副島 一也

プリンシパルコンサルタント

内海 良