マイクロセグメンテーション

掲載:2023年11月01日

用語集

「マイクロセグメンテーション」とは、ネットワークセキュリティのアプローチのひとつです。ネットワーク内を細かなセグメントに分割し、それぞれのセグメント間に通信ポリシーを設定して制御・監視する技術を指します。クラウド化やリモートワークが急速に広がる現代、組織のネットワークセキュリティは従来の手法だけでは対応できない場面が増えてきました。その中で、注目されている技術がマイクロセグメンテーションです。

         

従来のアプローチとの違い

従来のネットワークセキュリティでは、ネットワークを外部と内部に分け、その境界にファイアウォールやIDS/IPSを設置する方式が主流でした。しかし、一度ネットワークへの侵入を許すと内部の通信はほぼ自由であるため、あっという間に脅威が拡散してしまいます。

ネットワークを多数の小さなセグメントに分けて、影響を最小限に抑えるマイクロセグメンテーションは、この問題を解消するための効果的なアプローチです。

近年注目される理由

マイクロセグメンテーションの考え方自体は、新しいものではありません。しかし、近年になってマイクロセグメンテーションの関連技術やアプローチが注目される背景には、以下のような理由があります。

クラウドの普及

クラウド技術の普及により、データとアプリケーションの配置やネットワーク構造が複雑かつ動的になりました。従来のような外部と内部に分ける静的なアプローチでは対応が難しく、マイクロセグメンテーションのような柔軟な対策が求められています。

セキュリティ脅威の高度化

サイバー攻撃の手法は日々高度化し、従来の防御手段だけでは対応が困難です。マイクロセグメンテーションは、内部ネットワーク内での拡散を制限し、攻撃の影響範囲を最小限に留めることで、脅威に対応する手段として注目されています。

仮想化技術やSDNの進歩

仮想化技術やSDN(Software Defined Networking)の進歩により、従来の物理的なセキュリティ機器の設置に比べて、ソフトウェアによる細かなセグメンテーションを実現しやすくなりました。

ゼロトラストセキュリティを実現する技術

ゼロトラストセキュリティは、外部・内部を問わずすべての通信を信頼せずにチェックするという考え方です。リモートワークの拡大や内部犯行の増加などを背景に注目が高まっています。マイクロセグメンテーションは、ゼロトラストセキュリティの実現に欠かせない技術要素のひとつです。

導入のメリットとデメリット

マイクロセグメンテーションを導入することで、ネットワークの一部が攻撃を受けても影響をセグメント内にとどめ、組織全体へ被害が拡大するリスクを大幅に軽減できます。また、セグメントごとに異なるセキュリティポリシーを設定できるため、特定のワークロードやアプリケーションに合わせた柔軟なセキュリティ対策が可能です。

一方で、マイクロセグメンテーションでは多数のセグメントと通信ポリシーの管理が必要となるため、ネットワークの管理が複雑化し負荷が増加するデメリットがあります。また、適切なセグメンテーションやポリシーの設定には、高度なネットワークとセキュリティの知識が求められるため、専門的なスキルを持つ人材が必要です。

クラウド時代の効果的なセキュリティ対策として、マイクロセグメンテーションの重要性はますます高まっていくでしょう。

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