2025年度の国内情報セキュリティ市場を2兆円規模と予測、「2024年国内情報セキュリティ市場調査報告書」を公表 JNSA
日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)は7月7日、「2024年国内情報セキュリティ市場調査報告書」を公表しました。JNSAが毎年この時期に公表している調査報告書であり、今年は2023年度から3年間の市場規模について推定実績値(2023年度)・推定見込値(2024年度)・予測値(2025年度)を出し、分析・取りまとめています。2025年度の国内セキュリティ市場規模については約2兆円と予測しました。
報告書によると、2023年の売り上げ実績を基に2023年度の国内セキュリティ市場規模を前年度比13.8%増の1兆6,665億円と発表しました。なお、2024年度調査では調査対象(全調査母数)が1,040社、分析対象(有効対象)は751社となりました(前回調査ではそれぞれ1,033社と680社)。
また、2024年度の売上高推定見込値は、2023年度比8.0%増の1兆7,995億円、2025年度の売上高予測値は2024年度比8.1%増の1兆9,458億円としました。
国内情報セキュリティ市場を大きく「ツール」と「サービス」の2つに分けて分析しています。市場規模はツールが優勢で2023年度のシェアはツールが59%、サービスが41%となりました。
ツールの2023年度の市場規模は、対前年度比15.4%増の9,942億円でした。最もシェアが大きいプロダクトは「ネットワーク防御・検知/境界線防御製品」で対前年度比15.5%増の3,279億円になりました。クラウドなどネットワーク経由での利用が堅調のため成長が続いています。
次にシェアが大きいのは「エンドポイント保護管理製品」で対前年度比10.4%増の2,698億円、次いで「コンテンツセキュリティ対策製品」が同18.4%増の2,463億円、「アイデンティティ・アクセス管理製品」が同20.0%増の約1,502億円となりました。アイデンティティ・アクセス管理製品は構成比としては一番小さいものの、「ゼロトラストに代表されるように認証の重要性が高まっており、引き続き需要は高まる」とJNSAは分析しています。
他方、サービスの2023年度市場規模は、対前年度比6.7%増の6,724億円でした。最もシェアが大きいサービスは「コンサルティング/診断サービス」で対前年度比19.0%増の2,888億円でした。診断サービスのうち、クラウドシステムの安全性やゼロトラストシステムの安全性を診断する新たなサービスが高い伸びを示したと記されています。
報告書はJNSAのウェブサイトからPDF形式でダウンロードが可能です。