テーマは「サイバーセキュリティ特集」、情報通信研究機構研究報告書を公表 NICT

掲載:2025年02月17日

サイバー速報

         
目次

情報通信研究機構(NICT)はこのほど、「情報通信研究機構研究報告 Vol.70」を公表しました。今般はサイバーセキュリティの特集で、サイバーセキュリティ技術やそれに関わる人材育成、IoT機器のセキュリティ対策などについてまとめられています。

技術面に関しては、例えば「AI技術を用いたサイバーセキュリティ」の研究が紹介されました。NICTでは、AI技術を活用したセキュリティオペレーションの自動化を実現するための研究が進められており、その成果の一つとして「アラートスクリーニング機能」が挙げられています。これは、組織内ネットワーク上での異常を検知・分析するもので、現状人手によって行われているアラート検証作業のうち、真に検証が必要なものをAI技術で抽出できるとされています。検証作業にかかる労力やそれに伴う人的ミスを最小化することを目的としており、現時点で従来比50%の分析対象アラート削減を実現できていると記されました。このほか、Android向けマルウェアの検知技術やフィッシングサイトの検知技術、ダークウェブからの脅威インテリジェンス抽出技術などが紹介されています。

また、IoT機器については、IoT機器の調査と注意喚起を行う「NOTICE」プロジェクトが紹介されました。これは、IoT機器のセキュリティ対策を推進することを目的として、総務省などとともに2019年2月より開始された取り組みで、IoT機器の調査や、調査によって得られた脆弱性情報、セキュリティ対策などについて国民に周知する役割を担っているとされています。2024年度からは新たに、IoT機器の悪用によるサイバー攻撃の発生・被害抑制のため、安全管理策の広報活動の強化や、IoT機器メーカー・その他セキュリティ関係機関との連携強化などの取り組みを推進してきました。これまでの成果として、脆弱なIoT機器の数が減少傾向にあることが確認されており、今後も官民連携を強化しつつ、IoT機器のセキュリティ強化に効果的な取り組みを行っていくと述べています。