個人情報の漏えい事故で重視するポイントは「丁寧な事後対応」、デジタル社会における消費者意識調査2025を公開 JIPDEC
⽇本情報経済社会推進協会(JIPDEC)は4月24日、2月に実施したWebアンケート調査「デジタル社会における消費者意識調査2025」の結果を公表しました。JIPDECは従来から懸念されている個人情報やプライバシー保護に関する問題に加え、テクノロジーの進展に伴い注目されるようになった生成AIやAIエージェント、ダークパターンなどの課題への意識や実態を把握するため、全国の18歳から70代の男女を対象に調査しました。
JIPDECは調査で明らかになった実態を、6つのポイントに整理して公表しました。
まず、個人情報の提供に抵抗を感じる人は70.6%となり、前年調査と比べ3.5ポイント増加しました。さらにそのうち約半数が「個人情報の登録が必要なら利用しない」とサービスの利用をやめた経験がありました。プライバシーや個人情報保護への意識の高まりがうかがえると指摘しました。
次に、生成AIの利用経験は前年比で10ポイント増加したことを紹介しています。特に男性や若年層での利用が目立ち、なかでも18歳から20代の若年層男性では、1年前と比べて利用経験が増加する傾向が見られました。ただ、「ハルシネーション」(事実と異なる情報の生成)や「ディープフェイク」(偽の映像や音声)に対する不安や懸念も根強く残っていることが分かりました。
ポイントの3つ目は、個人情報の漏えい事故が発生した際に企業が信頼を回復するには、丁寧な事後対応が重要視されているという点です。企業に求められる対応を尋ねたところ、「発覚から対応までのスピード」や「漏えい事案に関する適切な量、質での情報開示」、「記者会見、取材等、メディア対応の姿勢」よりも「顧客、被害者への再発防止策の提示など丁寧な事後対応」を選択した人の割合が高くなりました。
続いてポイントの4つ目はプライバシーテック(プライバシー保護技術)への期待、5つ目はダークパターンへの対応と意識、6つ目は理想の働き方となっています。事業者がプライバシー保護技術を導入することで半数以上の消費者が「安心感が増す」と回答したことや、ユーザーを意図的に誘導するデザインであるダークパターンは敬遠されていること、出社を前提とした働き方が依然として根強い傾向があることなどを紹介しています。