プライバシー強化コンピュテーション

掲載:2022年05月18日

用語集

「プライバシー強化コンピュテーション」とは、機密性を保ちプライバシーを保護しながら、データを安全に共有、分析するための技術の総称です。
米調査会社ガートナー社が発表する「戦略的テクノロジのトップ・トレンド」では、2021年、2022年と2年連続で取り上げられています。

近年では、IoTなどの技術的進展によるデータ量の増加やAI技術の進化によりデータ利活用の重要性が高まる一方、個人情報の不正取得などのプライバシー侵害が懸念され、大きな課題となっています。
2018年に施行されたEU 一般データ保護規則(GDPR)、2020年に施行されたカリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)をはじめ、プライバシー保護規制の動きは世界中に拡大しています。

こうした中で注目されているのが、プライバシー強化コンピュテーションです。
中でも注目度の高い技術として挙げられるのが、データを暗号化したまま分析処理を行い、結果だけを共有する「秘密計算」の技術です。
秘密計算は、生データを使って処理を行う従来のデータ分析と異なり、処理中のデータの漏洩や不正利用を防止できるというメリットがあります。

このような技術の多くは実用化に向けた研究の途上であり、活用にあたっては法整備などの対応も必要となりますが、プライバシー強化コンピュテーションによりデータの利活用と強固なセキュリティが両立され新たな付加価値やサービスの創出につながることが期待されています。
ガートナー社は、2025年までに大企業の60%が一つ以上のプライバシー強化コンピュテーション手法を使用するようになると予測しています。