公益財団法人全国中小企業振興機関協会は11月25日、全国の中小企業向けに実施した経営課題に関する調査の結果を公表しました。デジタル化やサステナビリティ(持続可能性)に関する中小企業の取り組み状況と課題について検証したほか、2015年度に行った前回調査との比較などを行い、現状や対策を取りまとめています。
調査期間は7月12日から8月末、20,000社を対象にアンケートを実施し、2,801社から回答を得ました(回収率14.0%)。また、11社(団体)にオンライン形式でヒアリング調査も行いました。
デジタル化における課題について質問したところ、最も多かった回答は「これまでのアナログな企業文化が定着してしまっている」(40.4%)でした。次いで「IT・設備投資を回収できるかどうかの判断が難しい」(28.9%)となり、「IT 人材を十分に採用できない」と「従業員へのデジタル教育が難しい」がともに 27.3%と続きました。
サステナビリティ対応に関する取り組みについては、取り組みを行っていながら、それをSDGsの枠組みで位置づけられるとは認識していない企業が一定数あると指摘しました。自社の取り組みをSDGsの17の目標のうちどの領域に該当するか整理することで、既にSDGsに貢献している取り組みを明らかにすることができると示しています。
前回調査との比較では、ERP(統合基幹業務システム)やEDI(電子受発注情報管理)、グループウェアなどITツールの導入は進んだものの、「利活用できている」との認識には至っていない企業も多いと分析。今後は導入したツールを利活用できるような環境整備を行うことが求められると指摘しています。