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用語集

ストリートワイド訓練(インダストリーワイド、マーケットワイド訓練)

2010年01月25日

ストリートワイド訓練とは、事業継続計画(BCP)の有効性を検証するための方法の1つであり、複数の組織を巻き込んだ大規模な訓練のことを指します。複数の組織とは、同じ業界に属する企業同士での訓練の場合もあれば、業界をまたいだ形での訓練、また、警察や消防署などの公共機関を巻き込んだ形での訓練など様々です。一企業内にとどまる訓練ではカバーできないポイント(他社との相互依存関係)を検証できるというメリットを持ちますが、事前の準備に非常に大きな負荷がかかることから、頻繁に行われるものではありません。

ただし、「ストリートワイド」という言葉は、必ずしも定着しておらず、同じストリートワイド訓練であっても、業界全体を巻き込んでの訓練を「インダストリーワイド」と呼んだり、複数の業界を巻き込んでの訓練を「マーケットワイド」と呼んだりすることがあります。

ちなみに、2006年にイギリスの金融機関を中心に巻き込んで行われたパンデミックを想定した訓練では、約70の組織が共同で行われ、これは「マーケットワイド訓練」と呼ばれました。

海外では活発に実施されているストリートワイド訓練

日本のストリートワイド訓練は、海外に比べまだまだ遅れをとっているのが実情です。海外では1999年頃から、こうした大規模な訓練が活発に行われています。
以下、日本銀行「業務継続体制整備に関する情報交換会」が2008年6月に発行した『業務継続体制整備の具体的な手法―「業務継続体制整備に関する情報交換会」における議論の内容と工夫事例―』より転載、ご紹介いたします。
【米国の事例】
米国では、毎年、民間金融業界団体が主催するバックアップシステムへの切替を主体とする訓練を実施しているが、2007年については、新型インフルエンザ対策をテーマにした訓練を3週間に亘って実施した。
 
実施時期 概要 主催者 参加者
2004年5月
(半日)
一定の被災想定(爆弾テロ)に基づく、意思決定・連絡訓練 民間金融業界団体 約20先:主要証券会社13先、取引所、ベンダー、インフラ提供者等
2005年10月
(半日)
バックアップシステム間の接続を確認するシステム切替訓練 民間金融業界団体 約150先:取引所・取引システム、清算機関、主要証券会社、通信会社等
2006年10月
(半日)
取引執行(フロント)から資金証券決済(バック)までを通して、取引の一連の流れを切り替える日回し訓練 民間金融業界団体 約200先:30取引所・取引システム、150以上の金融機関、清算・決済機関、ベンダー等
2007年9~10月
(3週間)
週次で変化する新型インフルエンザの感染拡大シナリオへの対応状況を回答していくシナリオブラインド訓練 官民の
金融業界団体
2,775先:金融機関(銀行、証券、保険、取引所)、公益事業(電力、通信等)等

【英国の事例】
英国では、2005年まで、爆弾テロをテーマにした訓練を実施した後、2006年には、新型インフルエンザ対策をテーマにした訓練を6週間に亘って実施した。
 
実施時期 概要 主催者 参加者
2003年6月
(半日)
一定の被災想定(爆弾テロ)に基づく、机上演習。 民間金融機関、金融当局 約20先(約100名):主要金融機関
2004年11月
(半日)
一定の被災想定(爆弾テロ)に基づく、意思決定・連絡訓練。 金融当局 約30先(約300名):主要金融機関
2005年11月
(半日)
刻々と変化する被災想定(爆弾テロ→交通途絶等)に基づく、リアルタイム方式のシナリオブラインド型の意思決定・連絡訓練。 金融当局 約70先(約3,000名):金融機関、取引所、決済機関等
2006年10~11月
(6週間)
週次で変化する新型インフルエンザの感染拡大シナリオへの対応状況を回答していくシナリオブラインド訓練。 金融当局 約70先(約3,500名):金融機関、取引所、決済機関、警察、保健省、通信業者、鉄道、電気ガス水道等

(文責:勝俣 良介

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