2008年9月29日に厚生労働省から「新型インフルワクチン接種の進め方について」(第一次案)(以後「本案」と呼ぶ)が発表されました。
「新型インフルワクチン接種の進め方について」(第一次案)
かねてから国会であがっていた「プレパンデミックワクチンの接種の優先順位を早急に検討すべし」という声に応える形で、その検討結果について厚生労働省がとりまとめたものです。ワクチン接種の優先順位については、平成19年3月に発行された「新型インフルエンザワクチン接種に関するガイドライン」において、"医療従事者"や"社会機能維持者"という言葉で、A4一枚におさまる程度で定義されてきましたが、今回は、更に一歩踏み込んで「より具体的にどういった職種の人達が対象となるのか」について、詳しく言及しているところが大きな特徴と言えます。

本案は、上に示すカテゴリーに基づき、接種対象者の業種・職種についての定義、小分類、選定理由、順位について明記しています。例えば「4. 国民の安全・安心の確保に関わる業種・職種」として国会議員が挙げられていますが、これについて「国会議員及び国会運営の関係者」として定義した上で、その具体的対象者として「衆議院・参議院議員、国会議員公設秘書、国会事務局職員」を記載しています。
本案では、さらに「新型インフルエンザワクチンに関するガイドライン」では、全く記載されていなかった職種についても提案を出しています。例えば、「5. ライフラインの維持に関わる業種・職種」では、ガイドラインでは触れていなかった「倉庫業者」や「食料品製造業者」などが、新たに加えられています。
政府は今後「国民的議論を経て決定していく」としています。致死率60%といわれる脅威を前にした"命"に関わる議論ですので、本案をもとに色々な意見が飛び交うことが予想されますが、我々国民は注意深く、その動向を見守っていくことが重要です。