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用語集

事業継続戦略(BC戦略:BC Strategy)

2010年02月08日

『事業継続戦略』とは、文字通り「組織の中核となる事業を継続させるための戦略」です。戦略とは、最終的なゴールに到達するための方針です。戦略とは、言い換えると戦争に最終的に勝利するための方法です。戦争に最終的に勝利するためには、いくつもの戦(いくさ)を戦い抜かなければなりません。長い戦いの中、あえていくつかの戦いで負けて見せて、相手を油断させる、しかし、後半戦は相手を圧倒し最終的には全体の勝利に導く、これが戦略(大方針)の一例です。すなわち「事業を継続させるという戦いに勝つために、必要な方針を考えること」、これが事業継続戦略になります。

なお、事業継続マネジメント(BCM)の国際的な規格であるBS25999では、事業継続戦略のことを「災害又はその他大規模なインシデント、もしくは事業中断(混乱)などに直面したときに、組織の復旧及び継続を確実にする、組織によるアプローチ」と定義しています。

事業継続戦略は、事業継続計画(BCP)の土台

実効性ある事業継続計画(BCP)を作るためには、しっかりとした事業継続戦略をたてることが必要不可欠です。なぜなら、BCPと一言に言ってもカバーするべき項目は多義に渡り、その1つ1つが相互に依存関係を持ち、複雑に絡み合っているためです。いきなり最初から、細かい項目について手順を決めても、計画全体に不整合が起こり、効果が半減してしまいます。

たとえば、BCPでは以下のような項目について手順を定めます。

例)行動計画で考慮する内容の一部
  • 安否確認の手順はどうするのか?
  • 代替オフィスへの移動手段はどうするのか?
  • 在宅勤務をする際の手順はなにか?
  • バックアップテープからデータをどうやって復旧するのか?
  • 壊れた機材や什器の購買は、どうやって誰がどこから行うのか?
上記項目について細かい検討を始める前に、不測の事態が発生した際のそもそもの対応方針について方向性を決めておかなければ、意味のないものになります。たとえば、BCPの項目の1つに「壊れた機材や什器の購買の手順」を記載するとします。しかしながら、そもそも会社が復旧スピードアップの目的から「あらかじめ什器つきのオフィスを用意しておく」という方針を打ち出した場合はどうなるでしょうか。そうです、購買の手順を定めておいても何の意味も持ちません。

以上から、BCPの中身を事細かに決めていく前に、その土台、すなわち事業継続戦略を考えることが重要になるわけです。

事業継続戦略を考える視点の1つはリソースの種類別

一般的に、事業継続戦略は、リソース(資源)単位で考えることが有効です。なお、参考までにBS25999ではリソースを以下のように分類しています。

BS25999におけるリソースの種類
  • 人(要員)
  • 供給(業者や原材料など)
  • サイト(オフィス、工場など)
  • 技術(ITなど)
  • 情報(データなど)

以下に、リソース単位で考える戦略の例を挙げます。

たとえばBCPで大地震を想定するとします。このとき、多くのスタッフのケガや交通機関のマヒが予想され、全社員2,000人のうちの600人のスタッフしか本社に出勤できないとします。もし、この会社が、通常レベルのサービスをお客様に提供し続けるために、最低1,000人の要員が必要になるのだとしたら、トータルで400人が不足することになります。この不足した400人をどうやって調達するのか、まずは方針レベルで検討することが必要になります。外部の派遣会社から調達するのか、出勤しなくても勤務できるようにすること(在宅勤務)で調達を不要にするのか、コンピュータに処理を肩代わりさせることで対応するのか、など方針を考えていくことになります。これが人における事業継続戦略の一例です。

さらにこれが、ITにおいて壊れた機材を想定しているのであれば、あらかじめ機材を購入・設置してウォームスタンバイの態勢をとっておくのか、被災してから、はじめて機材の購入・設定・設置を行うコールドスタンバイ方式をとるのか、などを考えることがITにおける事業継続戦略の一例になります。

(文責:勝俣 良介

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