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最小事業継続目標 (MBCO:Minimum Business Continuity Objective)

掲載:2013年01月29日

用語集

MBCOとは、災害、事故、非常事態等が起こった時にも、自社の事業の目的を果たすために、企業・組織として許容できる製品供給やサービスの最小レベルを指します。

         

MBCOとは

MBCOは、元々、ISO/IEC 27031で定義されている用語ですが、事業継続のグローバルスタンダードであるISO22301(2012年5月15日発行) (※)で採用されたことによってより注目されています。

※ISO22301の本文にはMBCOについて記載されていませんが、用語集には記載があります。

MBCOとRLOの違い

ISO規格にはない用語ですが、BCP策定の際、MBCOと似た意味で使用されることがある用語に「RLO:Recovery Level Objective(目標復旧レベル)」があります。 RLO(※)とは、何らかの理由で業務が中断することにより落ち込んでしまった操業水準を、どの程度まで復旧させるかといったときの「レベル(操業水準)」のことを指します。

RLOが発災後に目指す目標復旧レベルを指すのに対し、MBCOは発災後も最低限維持すべきレベルを指します。
※目標復旧レベル (RLO: Recovery Level Objective)については用語集記事をご参照ください。その他、経済産業省のITサービス継続ガイドラインには記載がありますが、一般的にはITの操業度を示す数値として利用されることが多いです。

BCP策定におけるMBCO/RLOの例

MBCOは、会社として最低限守りたい製品供給やサービスのレベルの定義であり、BCP策定にあたり最初の段階で決めるべきものと言えます。

例えば、自動車用ブレーキメーカーの場合、大地震等の災害の発生により、自社のブレーキの供給が止まることによって、自動車メーカーの製造ラインを止めてしまうだけでなく、その自動車メーカーに部品を納入している企業すべてが工場の稼働を止めざるを得なくなってしまうという事態が想定されます。

このメーカーが、自社の事業の目的を踏まえた最低限許容できるレベル(MBCO)は、仮に「他社への製品供給は停止という事態になったとしても、サプライチェーンに多大な影響のあるA社向けブレーキの供給は継続出来る状態を維持する」と定めたとしましょう。

これに対し、発災後に目指す目標復旧レベル(RLO)は「A社を含む上位10社へのブレーキ部品の出荷ができるレベルへの早期復旧」など、復旧目標の要素が入ってきます。BCP策定においては、このようにして組織としての目標を特定していきます。
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