事例紹介: 昭和化学工業株式会社

昭和化学工業株式会社 代表取締役社長 石橋 健藏氏

ろ過助剤などの
産業の必需品の安定供給を

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代表取締役社長 石橋 健藏氏

想定リスク: 東京湾北部地震
業種: 製造業

-事業内容を教えてください。

当社は、珪藻土・パーライトの採掘・加工・販売を中心に、プール用塩素剤など水処理化成品の販売( 総販売代理店)、デオドラント、ユニットバスなど生活関連用品の製造・販売を行っております。なかでも珪藻土・パーライト事業では、天然資源である珪藻土とパーライトを原料にろ過助剤・建材・充填剤を開発・生産・販売しており、特に珪藻土ろ過助剤で高いシェアを持っております。

-今回BCP策定に取り組まれた理由を教えてください。

今回の東日本大震災により、当社のろ過助剤が上・下水道からビールなどの飲料業界、食品業界や製薬業界などの産業界において不可欠なもであることを改めて痛感致しました。

例えばビール製造などは発酵に3カ月かかりますが、その後ろ過ができないと台無しになってしまいますし、ろ過助剤の不足はその他あらゆる商品の生産を止めてしまうことになります。

さらに当社はろ過助剤におけるマーケット・シェアが高く、代替品の調達が難しいため供給責任が大きく、そういった社会的責任を果たすためにはBCP策定が急務であると考えました。

-策定されたBCPの内容を教えてください。

地震に対するBCPを策定しました。対象事業は先に述べたとおり各産業の工程上必須であるパーライト製品のろ過助剤と建築材料の製造・販売としました。被災シナリオでは本社・東京支店とそれらを製造している栃木工場の2カ所が同時に被災したという想定で対策を検討しました。

栃木工場の経営資源の中でも、LNGはろ過助剤の製造工程(焼成)に必須なものです。それを貯蔵するタンクには予防・低減策として感震装置を設置済みですが、LNGについては設備及び規制の関係上、備蓄を3日分しか持つことができません。そのため仮に供給が途絶えると備蓄分だけではライン稼働が50%でも2~6日で製造できなくなるという最大のボトルネックになります。よってもし長期契約している千葉の業者からLNGが届かない場合は、関西電力備蓄基地から輸送することで対応するように対策を改めました。

また本社・東京支店の販売機能に関しては、予防・低減策として、耐震補強を実施し、災害時には当該機能を大阪に移行することを顧客に事前に案内しておきます。そして万が一、本社・東京支店に被害が出て、販売システムが稼働しない場合には、大阪支店が受注販売機能を手作業で代替することで事業継続を図ることにしました。

対象事業パーライト製品の製造、販売
対象リスク東京湾北部地震
被災シナリオ・本社・東京支店(目黒)及び栃木工場が被災
どちらも建屋は問題ないが、施設内は物が散乱
工場も主要設備への損害はあるが自社での復旧は可能
・人的被害30%、PCは70% 損害、サーバは損傷なし
対策【本社・東京支店】
・外部サービスは代替会社と別途契約または協定を締結
・東京販売システムが動かない場合、大阪支店が手作業で受注業務を行う
【栃木工場】
・工場の事務所は耐震診断後、必要により耐震補強を行い、製造機器、装置の内包装機はアンカー増強、基礎補修を行う
・LNG が届かない場合は、関西電力備蓄基地から輸送する

-何か新たな気付きはありましたか?

今回のようなBCPの策定は自社だけでは難しかったと思います。開始当初はBCP策定の時間的制約から、栃木工場のパーライトろ過助剤のみに限定した方が、確実にBCPが策定できると言われたのですが、建材用の製品も別ラインで生産されるため、全パーライト製品というかたちで、BCPを策定できて良かったと思っております。コンサルタントの第三者の視点とともに、細かく詰めていくといろいろな問題点もわかり、現実的な解決策も検討することができました。

-BCPを策定した感想をお願いします。

プロジェクトメンバーはほぼ全ステップに出席して策定を進めました(突発的な対応によって欠席せざるを得ない場合はありましたが)。2カ月半と言う短い期間でありましたが全社的なBCP策定ができ、情報共有もできたので良かったと思います。策定手順を教えていただいたので、いただいたツールを使い、今後は自社のみで、パーライト事業に続き珪藻土事業と他工場にも展開していきたいと思っております。

昭和化学工業株式会社 BCP策定プロジェクトメンバーの方々

関連サービス詳細

プロジェクトメンバー

代表取締役社長石橋 健藏 氏
常務取締役生産部長中ノ森信也 氏
取締役経理部長堀内 稔 氏
取締役経営企画室長田子 薫 氏
営業部 部長角 博明 氏
海外生産部 部長佐藤 秀樹 氏
生産部 次長梅野 実 氏
営業部システム管理部 部長濱渦 裕彦 氏
東京支店 支店長臼井 慈之 氏
東京支店 次長須藤 豊 氏
東興パーライト工業 (取)栃木工場長加藤 英雄 氏
総務部 部長保田 勝之 氏
内部監査室 室長小関 肇 氏
総務部 次長笹元 岳 氏
総務部 課長小野寺 裕之 氏
経営企画室 課長代理長田 茂 氏
会社情報
称号: 昭和化学工業株式会社
本社所在地: 東京都目黒区下目黒2-23-18
設立: 1933年11月
資本金: 5億9,800万円
従業員数: 210人(連結)
代表者: 代表取締役社長 石橋健藏
事業内容: 珪藻土及びパーライトの採掘、加工、販売。プールなど水処理用化成品の販売。
デオドラントなど生活関連用品の製造、販売
URL: http://www.showa-chemical.co.jp

(2012年3月末日現在)

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