情報処理推進機構(IPA)は7月24日、サイバーレスキュー隊(J-CRAT: Cyber Rescueand Advice Team against targeted attack of Japan)の2018年下期活動状況を発表しました。J-CRATは標的型サイバー攻撃の被害拡大防止に向け、2014年に発足した組織で、「標的型サイバー攻撃特別相談窓口」を通じた情報収集や支援などを行っています。
2018年度下期に相談窓口に寄せられた相談は258件で、2018年上期の155件から大幅に増加しています。2018年下期の傾向としては、標的型サイバー攻撃の侵入段階で、これまでの標的型攻撃メールに加えて、ネットワーク経由での侵入を起点としたサイバー被害事例も複数の組織で確認されています。また、攻撃を受ける分野には大きな変化は見られなかったものの、セキュリティの比較的甘い組織として、海外の現地法人を狙う事例が複数見られました。
IPAではこれを受け、「サイバー攻撃者が圧倒的に有利な状況は変わらず、一組織が単独で標的型サイバー攻撃を防御・検知・抑止することはより困難になっているため、我が国として、同盟国・有志国との連携が重要である。また、各組織、各個人には個々のサイバー攻撃対策を実施するとともに、J-CRATや政府関係機関、NISC、警察等の情報を積極的に活用してほしい」としています。