経済産業省は1月26日、「システム監査基準(案)」と「システム管理基準(案)」に関する意見公募を実施しました。それぞれ現行基準を見直し改訂するもので、2月24日まで受け付けます。
システム監査基準とシステム管理基準は経済産業省が策定し公表しているもので、システム監査制度における監査品質の確保と効果的な監査の実現を目的としています。システム監査基準はシステム監査人の行為規範と監査手続の規則を規定し、システム管理基準は監査の効率的かつ効果的な遂行を可能にする判断の尺度を規定しています。なお、現行の基準は2018年に改訂されたものです。
今回の改訂では、最新の技術革新や社会情勢の変化を踏まえた監査を速やかに実施できるよう、実践部分について基準から切り離し別冊化することが示されました。基準ごとにガイドラインを設け、各ガイドラインは日本システム監査人協会が策定します。
システム監査基準においては、システム監査人の倫理が監査の前提となるものであることをより明確にするため、基準の記述の前に新たに倫理規定を記す構成に変更されます。守るべき原則として、誠実性、客観性、能力および正当な注意、秘密の保持を明示します。
システム管理基準においては、ITガバナンスとITマネジメントを柱とした構成に変更。プロセスを再整理し、基準をそれぞれ規定します。
改訂された基準と新たに策定されるガイドラインはそれぞれ、2023年度前半に公表される予定です。