IT-BCP構築・改善サービス
IT-BCPとは、事故や災害など予期せぬ事象に対し、重要なITシステムを継続または早期復旧するための準備態勢のことです。近年、テクノロジーの発展に伴いITシステムとビジネスの関係も変化してきました。人的業務にAI技術が適用され、ネットワーク網の発達・高速化によってIT資産は所有からクラウドシステムへと移行しつつあります。また、こうした高度に発達したIT社会の実現により、ビジネスのIT・デジタルへの依存はより一層高まっていると言えます。そのため、IT-BCPも、従来の考え方では十分な効果を発揮できないケースが多くなっています。
例えば、IT-BCPの構築においては、かつてはビジネス部門のニーズとITシステムにおける要件のギャップを特定し、対策を導入するといった手法が標準的でした。しかし近年、クラウドサービスやデータセンターの利用によりITシステムのブラックボックス化が進み、この手法だけでは十分な対策を講じることが困難になってきました。つまり効果的な対策を導入するためには、ビジネス部門の業務プロセスだけではなく、ITシステムそのものをリスクと捉えてアセスメントすることが必要になりました。
当サービスでは、DX(デジタルトランスフォーメーション)が喧伝され、AIがビジネスに融合しつつある現代において、真に機能するIT-BCPの構築あるいは見直しのための支援メニューを提供いたします。
このようなお客様におすすめします
既にBCPは策定しているが、現状のITシステムの対策に不安がある、本格的にIT-BCPを検討したい、見直したい、といった課題をお持ちの企業におすすめします
サービスの特長
BCPの基本であるビジネス要件をしっかり押さえた上で、お客様のIT環境に即したビジネスインパクト分析、リスクアセスメント等を通して、真に実効性のあるIT-BCPを実現します。
- IT-BCP構築に必要なビジネス要件を整理します
IT-BCPに課題を持つ企業は、そもそもビジネス要件が明確になっていないことが多いです。改めてビジネス部門の協力も得て整理し、経営陣のお墨付きのもと、IT-BCPの構築につなげていきます。ビジネス要件とは、何らかの理由で停止した重要業務を「いつまでに」「どの程度」復旧させるべきかを定義したものであり、これと各ビジネスが依存しているITシステムの復旧要件とのギャップを明確にした上で、ソリューションを決定します。 - 最適なソリューションを選定できます
ビジネス要件が整理されると、現状の対策が適正か、あるいは新たなソリューションの導入が必要か、その際にはどのようなものが良いかが見えてきます。短時間で手間なく復旧できるソリューションであればあるほど、コストに跳ね返りますが、ビジネス要件を基に、ベンダーと相談しながら最適なソリューションを決定できます。 - 実効性を確保できます
ITシステムを迅速に復旧するには、IT部門や委託先の災害・インシデント発生時の動き方も重要になってきます。オンプレミスのシステムだけではなく、クラウドサービスやデータセンターまでを含めたITシステム全般のリスクアセスメントを行い、ベンダー、データセンターのSLA、属人的なルールなどを洗い出し、実効性のあるIT-BCPを構築します。
主な成果物(例)
IT-BCP構築・改善サービスでは、ワークショップにて分析・構築を進めます。以下はワークショップにて使用するツール類の例です。
- 業務影響度分析シート
事業・業務ごとの目標復旧時間を決定するためのシート(未作成の場合のみ) - ビジネスインパクト・ギャップ分析シート
業務に対する目標復旧時間や現状のITの対策を記載したシート - リスクアセスメントシート
各種リスク分析を実施する際のシート - プロジェクト完了報告書
プロジェクト実施経緯、導入・運用計画までを含めた報告書
支援範囲と作業ステップ(例)
下図はIT-BCP構築・改善サービスに関しての一般的な流れです。
お客様のご要望によって支援範囲のカスタマイズも承ります。例えば、報告書作成や報告会の開催などが不要な場合は、導入・運用計画の策定までをご支援範囲にすることもできます。