経済産業省と厚生労働省は6月16日、マスクに関する日本産業規格（JIS）を制定したと発表しました。これまで、マスクの品質に関する公的な規格はありませんでした。JISの制定は、マスクの性能要件とその試験方法について標準化を図るものです。

制定したのは、医療用および一般用のマスクを対象とした「JIS T9001」とコロナ感染対策に従事する医療従事者用のマスクを対象とした「JIS T9002」の２つです。規定された試験方法により試験を行い、捕集機能、圧力損失、安全・衛生項目などの性能要件を満たしていれば、適合となります。材質と形状は限定されていません。

「JIS T9001」は、微小粒子や飛まつ等の体内への侵入を防御するとともに、空気中への飛散を防止することを目的としています。一般用では、微粒子状物質、バクテリアを含む飛まつ、ウイルスを含む飛まつ、花粉粒子の４つの捕集機能や通気性を表す圧力損失などについて要件を規定しています。「JIS T9002」は、感染対策に従事する医療従事者が使用するマスクとして、要件を規定しています。

JIS規格の適合性は、日本衛生材料工業連合会が主体となって審査します。今後、規格適合マスクには、同連合会が発行する認証番号などが表示される予定です。