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BCP策定済み企業は18.9% 内閣府

掲載:2008年06月13日

コラム

6月10日に、平成20年度版の防災白書が閣議決定されました。

BCP策定の推進

今年1月に内閣府により実施された調査によると、BCPを策定している企業は、大企業(製造業の場合は資本金10億円以上かつ雇用者数300人超)で18.9%、中堅企業では、12.4%とどまっています。
※ 以前の記事で実施済み企業は28%という調査結果がありましたが、これはBCMカンファレンス参加企業なので、こちらの数値の方が実勢に近いと考えられます。

政府は平成28年度までに大企業のほぼすべてにBCPを策定させるという目標を掲げており、この低迷するBCP策定率を受けて、策定率アップのための対策を打ち出していくとのことです。

対策の一部として検討されているのが、BCP策定済み企業に対する金利優遇措置です。

日本政策投資銀行でも「防災格付融資」として2006年に導入済みであり、すでに10社を超える融資実績があるそうです。こういった分かりやすいインセンティブは、BCM/BCP普及のための有効な策といえそうです。

ただし、先の内閣府による調査では、大企業であっても「BCPを知らない」との回答は22.7%にのぼります。自然災害の多い日本に拠点を持つ企業が、事故や災害に強い企業体制を確立し、国際競争力を高めていくには、まずは「BCMへの取組みがいかに重要であるか」という啓発活動から始める必要があるということでしょう。

【日経新聞】http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20080531AT1D3003X30052008.html より

NECや資生堂、全日空など大手各社が、新型インフルエンザ発生時の対応策をまとめているそうです。
新型インフルエンザが海外において発生した際には、その国からの渡航者との面会場所を制限する、接触者は強制的に自宅待機にするなど、各社、様々なプランを打ち出しています。

その中でも既にBS25999を取得している富士通は、自社の最重要事業を病院や金融機関向け情報システムの保守・サポート事業と定め、パンデミック発生時には対象社員を隔離された場所で事業継続にあてるなど、具体的かつ詳細な計画を策定済

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今年に入り、毎日のように新型インフルエンザに関連する記事が紙面を賑わせておりますが、とりわけ、新型インフルエンザに対しては「国による後押し」と「各企業における体系的なBCP構築への取り組み」の2つが重要だと考えます。

一企業における対策には明らかに限界があります。

新型インフルエンザは免疫のない人が多いため、パンデミックによって日本では、最大64万人の死者が出るとの試算が出されています。新型インフルエンザの恐ろしさは、その強力な感染力です。この感染を抑えるためには、取り組みが大手に限られるべきではなく、あらゆる企業が何らかの対策を打つべきだと考えます。

こうした取り組みを促進するためには、企業個別の対応もさることながら、(国も新型ワクチンを常備するなど色々な動きを見せてはおりますが)国による法制度化など積極的な後押しも必要ではないでしょうか?

一方で、このような「新型インフルエンザの感染をどう防ぐか?」という観点だけでなく、国民(消費者)の生活基盤を脅かさないようにするために「各企業の主要事業をどのように継続させるのか?」という観点を持つことも必要です。従来の業務復旧手順は、「人がいる」という前提の基に作られたものばかりであり、新型インフルエンザにより「人がいなくなった状態での業務復旧」は全く異なってきます。
このような状況が想定される中で、実効性ある事業継続計画を持つためには「体系的なBCP構築への取り組み(適切な分析結果に基づいた実行計画の策定)」が重要となると思われます。
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