国の「日本海における大規模地震に関する調査検討会」は、8月26日に日本海の大規模地震で発生する津波想定を発表しました。政府による日本海側の大地震の想定は初めてのものとなり、今後、各道府県が策定する浸水想定や警戒区域指定の基準となります。
1983年の日本海中部地震(秋田県沖)、1993年の北海道南西沖地震など、日本海側ではこれまでも津波を伴う地震がたびたび発生しており、検討会は、過去の地震や海底のデータなどから、日本海には津波を起こす可能性のある地震断層が60あると仮定し、北海道から長崎県にかけて、地震発生時の津波の高さを予想しました。それによると、北海道や東北、北陸の海岸では最大10メートルを超す大津波が予想され、北海道せたな町では、最悪の場合、津波の高さは23.4メートルに達するとされています。
日本海側は太平洋側に比べて海底が浅く、津波が高くなりやすいという特徴があります。また震源が陸地に近いために津波がごく短時間で陸地に到達してしまう傾向があり、北海道や富山県などでは高さ30センチ程度の津波の第一波が地震発生からわずか1分以内で到達するおそれがあります。
検討会では、日本海における知見の蓄積等を勘案し、日本海域をブロックで分けて検討を進め、今年度中をめどに、日本海側で想定される津波発生の要因となる大規模地震の断層モデルを設定するとのことです。