2021年IT注目キーワード10

掲載:2021年01月05日

コラム

2021年がスタートしました。皆様、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
今回の記事では、2021年、特に知っておきたいITに関する10のキーワードを解説します。

昨年は新型コロナウイルスに翻弄された一年でした。高校野球やプロスポーツが中止や延期となる中、東京オリンピック・パラリンピック競技大会が延期となり、また東京など7都府県を対象に緊急事態宣言が発令されるなど、異例続きの年だったといえるでしょう。

コロナ禍において、人々の生活様式や働き方は大きく変わりました。最も大きな変化の一つに、Web会議システムを利用したリモートワークの導入が挙げられます。PCやスマホなどからWeb会議に参加できるアプリ「Zoom」は一気に注目が高まり、今や多くのビジネスの場で必須のツールとなっています。また、コロナ禍によるリモートワークの増加は、押印文化の見直しやペーパーレス化を後押しし、電子化を一層加速させました。

ニューノーマル時代の到来においてデジタルトランスフォーメーション(DX)が加速する一方、サイバー攻撃や情報漏洩などのセキュリティインシデントも報じられました。「ドコモ口座」を悪用した不正出金事件は、全国的に浸透しつつある電子決済サービスのセキュリティに危機感を抱かせる出来事だったといえるでしょう。カプコンのサイバー攻撃被害による個人情報流出も、改めてサイバー攻撃の脅威を痛感させるものでした。

2021年も、引き続き人と人との接触の制限が影響し、デジタルテクノロジーの重要性がさらに高まることが予想されます。今年は、どのようなテクノロジーがトレンドとなるのでしょうか?さっそく10のキーワードを見てみましょう。

         

振る舞いのインターネット(Internet of Behavior : IoB)

顔認証や位置情報、ビッグデータなど様々なソースで個人を追跡し、データを個人の振る舞いに結び付けることを振る舞いのインターネット(Internet of Behavior : IoB)といいます。IoBは、例えばマスクを着用していない人に着用を促す、運転の仕方が良くないドライバーに改善を促すなどの目的で企業等によって活用されています。IoBは人々の行動を最適化するために活用できる一方、個人の活動をコントロールする側面があり、活用方法をめぐっては今後も様々な議論が生じることが予想されます。

ハイパーオートメーション

ハイパーオートメーション(Hyperautomation)とは、AI(人工知能)やML(機械学習)、自動化ツールなどを組み合わせ、一連の作業を自動で実行することです。ハイパーオートメーションはパソコン作業を自動化するソフトウェアロボット技術であるロボティック・ プロセス ・オートメーション (RPA)がもとになっており、RPAにさらなる最先端ツールを組み合わせて人が関与する部分を模倣させ、自動化の範囲をさらに拡大したものといえます。ハイパーオートメーションはコロナ禍におけるデジタル化の促進により、ますます注目が高まっています。

トータルエクスペリエンス

トータルエクスペリエンス(TX)は、VR(仮想現実)やAR (拡張現実)、MR(複合現実)によって人間が現実世界だけでは体験できない多様な体験を得ることであるマルチエクスペリエンスの概念をさらに発展させたものです。TXは、マルチエクスペリエンスにユーザーエクスペリエンス(UX)、カスタマーエクスペリエンス(CX)、エンプロイーエクスペリエンス(EX)を結び付け、すべての関係者にとってより良い体験を生み出すことを指します。TXを提供することで、企業や組織は様々な観点で満足度を向上できると期待されています。

サイバーセキュリティメッシュ

サイバーセキュリティメッシュは、全て信頼できない(ゼロトラスト)という前提に立つネットワークセキュリティの概念であるゼロトラストネットワークを拡張させたもので、柔軟で信頼できるセキュリティ制御のための分散型アーキテクチャのことです。サイバーセキュリティメッシュによって、誰もがどこからでも安全にデジタル資産にアクセスすることが可能になるとされています。コロナ禍においてオフィス外でのデジタル資産の活用が増加したことも、サイバーセキュリティメッシュの普及を加速させています。

ローカル5G

ローカル5Gとは、通信事業者が全国展開する5Gのサービス(パブリック5G)とは異なり、企業や自治体などが建物内や敷地内などの特定エリアで利用できる5Gネットワークのことです。導入・運用にあたっては無線局の免許を取得する必要があり、2019年に申請が始まり2020年から提供開始となりました。ローカル5Gは独立したネットワークのため外部環境の影響を受けにくくセキュリティも強固であるという特長があり、Wi-Fiに代わってローカル5Gを活用する企業も増えています。

衛星インターネット

衛星インターネットは人工衛星を経由してインターネットにアクセスするもので、アンテナさえあれば回線を設置することなくインターネットに接続できます。近年、衛星インターネットを活用してネットインフラの整っていない国や地域の人々にインターネット接続を提供し、「デジタル・ディバイド(情報格差)」を解消しようという取り組みが行われています。すでにグーグルやアマゾンなどが大量の小型衛星を地球低軌道に打ち上げるプロジェクトを開始していますが、衛星同士の衝突のリスクなど様々な懸念点も指摘されています。

デジタルツイン

デジタルツインはIoTなどによってフィジカル空間(現実世界)の情報をほぼリアルタイムにサイバー空間(仮想世界)に送り、サイバー空間上にフィジカル空間と全く同じ環境や状況を再現するもので、日本語では「デジタルの双子」と訳されます。デジタルツインの大きなメリットは、現実の物や空間には手を触れることなく高度なシミュレーションができることです。製造業の生産現場などでデジタルツインを活用することで、製品などに将来起こる故障や変化が予測可能となることが期待されています。

テックネイティブ

米国ピュー・リサーチ・センターは、1981~1996年の間に生まれた人々を「ミレニアル世代」、1997~2012年の間に生まれた人々を「Z世代」と定義しています。テクノロジーが世界に浸透していく中で育った「ミレニアル世代」はテクノロジーに精通しているとされますが、テクノロジーが浸透しきった社会で生まれ育った「Z世代」はテックネイティブ(Tech native)と呼ばれ、さらにテクノロジーを身近なものとして使いこなす傾向があります。また、「Z世代」より新しく、テックネイティブとしての特徴をより強く持つ世代を指す「アルファ世代」という言葉も生まれています。

ハプティクス(触覚技術)

ハプティクス(Haptics)は触覚技術ともいわれ、振動や動きなどによって皮膚感覚を人工的に生じさせる技術です。iPhoneの「ハプティックタッチ(Haptic Touch)」はこの技術を導入しており、画面を長押しすることで画面から振動が伝えられます。PlayStation 5のコントローラーDualSensに導入された「ハプティックフィードバック」機能は、繊細な振動で従来のコントローラーでは伝えられなかった「感触」を伝えることが可能です。ハプティクスの実用化や展開をめぐっては様々な研究がなされ、急速に普及が進んでいます。

エドテック(学習関連の技術)

エドテック(EdTech)は、教育(Education)とテクノロジー(Technology)を組み合わせた造語です。金融業界のFinTechや食品業界のFood Techなどのように、「〇〇に関する新技術」という意味合いで「〇〇Tech」という表現が用いられますが、エドテックもその一つといえます。教育・学習領域では、学習アプリやオンライン学習の配信サービスなどのほか教師や教員が生徒の学習を管理するためのツールも導入されています。教育・学習領域でテクノロジーを活用することで、教育現場の効率化や教育格差の解消などが期待されています。

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