言語系生成AIの導入率は41.2%、「企業IT動向調査2025」の速報第2弾を公表 JUAS
ユーザー企業のIT投資・活用について年次で調査し、報告書として公表している日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)はこのほど、2024年度調査の結果について速報第2弾を公表しました。今回は生成AIの利用状況について比較、分析しています。
調査は2024年9月6日から10月28日にかけて行われました。東証上場企業とそれに準じる企業4,500社を対象にWebアンケートを行い、981社から回答を得ました。JUASが今年1月に公表した速報第1弾はIT予算の動向をまとめたものですが、速報第2弾では生成AIの利用実態がまとめられており、多くの企業で生成AIの導入が進んでいることが分かりました。
速報第2弾によると、ChatGPTに代表される言語系生成AIの導入について、「導入済み」と「試験導入中・導入準備中」を合わせた割合は全体の41.2%となり、前回調査(=2023年度調査)と比較して14.3ポイント増加しました。特に、「導入済み」は21.0%となり前回調査と比べて2.5倍に伸長しました(回答数は961社)。
今回調査では、言語系生成AIだけでなく、「画像および動画系生成AI」や「コード系生成AI」についても導入状況を尋ねました。それぞれ「導入済み」と回答した企業は「画像および動画系生成AI」が7.0%、「コード系生成AI」は7.6%でした。「試験導入中・導入準備中」も含めると「画像および動画系生成AI」が21.9%、「コード系生成AI」は20.8%となり、それぞれ言語系生成AIの約半分となりました。
売り上げ規模が大きい企業ほど言語系生成AIの導入率が高い傾向となりました。回答企業の売上高を100億円未満(239社)▽100億~1,000億円未満(447社)▽1,000億~1兆円(185社)▽1兆円以上(38社)――の4つに分類して比較すると、言語系生成AIの導入が最も進んでいるのは売上高1兆円以上の企業であり73.7%が「導入済み」と回答しました。「試験導入中・導入準備中」も含めると全体の92.1%を占めました。
売上高1,000億~1兆円未満では「導入済み」が39.5%、「試験導入中・導入準備中」が29.2%でした。売り上げ規模のボリュームゾーンは売上高100億~1,000億円未満(447社)となり、「導入済み」と「試験導入中・導入準備中」を合わせた割合は32.0%でした。
調査では言語系生成AIの導入効果についても尋ねています。396社が回答、このうち約7割は何らかの効果を感じていました(「期待を大きく超える効果があった」と「概ね想定どおりの効果であった」と「期待値に至っていないが一定の効果はあった」の合算)。ただ、約6割の企業は「効果測定は行っていない」とし、導入後の活用面での評価についてJUASは「手探りな姿がみえる」と指摘しています。
なお、報告書「企業IT動向調査2025」は4月に公表予定としています。