金融庁は10月13日、金融業界向けに横断的なサイバーセキュリティ演習「Delta Wall V」を実施すると発表しました。金融業界全体のインシデント対応能力の向上を目的とし、約110の金融機関が参加して14~21日まで行われます。
5回目となる今回は、インシデント発生時の顧客対応や部門間および組織外部との連携の実効性を確認するほか、銀行向けには社内でのディスカッションを通じてインシデント対応における社内エスカレーションから経営層の意思決定までの実効性を検証する演習も実施します。 また、テレワーク環境下でのインシデント対応能力の向上を図るため、実際のテレワーク環境下で演習に参加することを求めました。
金融業界を取り巻くサイバーセキュリティ環境は、資金移動業者の決済サービスを通じた不正出金が相次いで発生しているほか、新型コロナウイルス感染症に便乗したサイバー攻撃やテレワーク環境を狙ったサイバー攻撃が頻発しています。これらは金融システムの安定に影響を及ぼしかねない大きなリスクとなっており、金融庁では業界全体のインシデント対応能力の更なる向上を目的に、サイバーセキュリティ演習に力を入れています。
演習結果は、参加した金融機関だけでなく、業界全体にフィードバックするとしています。