スマートシティ

掲載:2022年11月29日

用語集

内閣府によれば、「スマートシティ」とは「ICT等の新技術を活用しつつ、マネジメント(計画、整備、管理・運営等)の高度化により、都市や地域の抱える諸課題の解決を行い、また新たな価値を創出し続ける、持続可能な都市や地域であり、Society 5.0の先行的な実現の場」とされています。近年、人口減少や高齢化、都市部への人口集中、エネルギー消費量や交通量の増加、災害の多発、感染症のリスクといった課題がますます深刻化する中、これらの課題を解決するものとしてスマートシティに大きな期待が寄せられています。

スマートシティという言葉が注目され始めたのは2010年頃のことです。当初はエネルギーや減災といった特定分野に特化した取り組みが行われていましたが、近年では複数の分野を幅広く横断した取り組みが増加しています。

2019年6月に閣議決定された「統合イノベーション戦略 2019」では“スマートシティはSociety 5.0の総合的なショーケース”であるとされ、スマートシティ構想によるSociety 5.0の実現について具体的な施策が提示されました。同年には、スマートシティの取り組みを官民一体で推進することを目的として、企業や大学・研究機関、地方公共団体、関係府省等を会員とする「スマートシティ官民連携プラットフォーム」が設立されています。

さらに、2020年5月には「スーパーシティ法」とも呼ばれる「国家戦略特別区域法の一部を改正する法律」が成立し、国家戦略特別区域において「スーパーシティ構想」を実現するための規制改革が行われました。スーパーシティ構想は「生活全般にまたがる複数分野の先端的サービスの提供」「複数分野間でのデータ連携」「大胆な規制改革」がポイントであり、住民の参画により2030年頃に実現される未来社会を先行して実現することを目指すものです。

2021年には、内閣府、総務省、経済産業省、国土交通省がスマートシティの意義や必要性、導入効果、進め方等についてまとめた「スマートシティ・ガイドブック」を公開しました。

ガイドブックでは、スマートシティの基本コンセプトとして「3つの基本理念」(市民(利用者)中心主義/ビジョン・課題フォーカス/分野間・都市間連携の重視)と「5つの基本原則」(公平性、包摂性の確保/プライバシーの確保/セキュリティ、レジリエンシーの確保/相互運用性・オープン性・透明性の確保/運営面、資金面での持続可能性の確保)が掲げられています。ガイドブックはスマートシティの定着には時間がかかるとしたうえで、無理のない継続的な取り組みを奨励しています。